いよいよ沈みゆく泥沼の日本政治
B 前回に引き続き、政局液状化の話です。岸田政権、および自民党はいよいよ沈没に向かって崩れゆくようですね。このところのニュースは開いた口がふさがらないというか、まことに恐れ入ることが多い。
自民党派閥の裏金(パーティ券収入のキックバック)問題は、国会終了後に強制捜査が始まるようですが、東京新聞によれば、旧安倍派で実務を担うとされる事務総長経験者の松野博一現官房長官、高木剛国対委員長、世耕弘成参院幹事長側が直近5年間で派閥から販売ノルマを超えた売り上げ1000万円以上の還流を受けたらしい。いずれの政治資金収支報告書にも記載はなく、裏金になったと言われます。
また安倍派幹部の萩生田光一政調会長、西村康稔経済産業省、塩谷立座長にも同様の疑惑が浮上しており、安倍派は戦々恐々、政権スポークスマンの松野官房長官は、国会の追及に「派閥がいま事実関係を精査している。私は政府の立場としてここに出席している」とまともな答弁をしていませんが、岸田首相は松野長官更迭へ動き出したとも報じられています。
自らは税金逃れの裏金を選挙対策、あるいは私用に使っておきながら、中小企業者やフリーランスの人びとのわずかな収入から税を取り立てようとするインボイス制度をよく導入できると思いますね。安倍派の問題はもちろん多くが安倍晋三元首相に起因するけれど、長い間の一強体制でまさに道義は地に落ちたということでしょう。
A 岸田首相は真相究明に指導力を発揮するどころか、いまになって「派閥から離脱する」と寝ぼけたことを言い出しました。自民党の歴代首相は在任中は派閥を抜ける慣習があり、安倍元首相ですら在任中は派閥を離脱していたのに、岸田首相は派閥会長をやめなかった。その理由として、「派閥を不在にすれば、戻った時に自分のポストがなくなる」ことを恐れたという情けない憶測がされていたけれど、今回の事件勃発を機にやむなく派閥会長をやめることにしたのか、あるいはこれも逃げの姿勢でしかないのか。
B 醜態ですね。岸田首相は安倍国葬を決めたときから首相としての道を踏み誤った。その後も政権延命のために安倍派引き止めにやっきとなり、閣僚人事や政策でもほとんど首相としての主体性を放棄してきたわけで、その責任は大きい。前回紹介した石橋湛山の言葉、「政治家にはいろいろなタイプの人がいるが、最もつまらないタイプは、自分の考えを持たない政治家だ」は彼のためにあるようなものです。
・岸田首相と統一教会の関係が明るみに
A 岸田首相に関しては、最近になって彼が自民党本部で統一教会幹部と同席していたことが明らかになりました。朝日新聞がスクープしたもので、彼が党政調会長だった2019年10月に統一教会の友好団体「宇宙平和連合ジャパン」トップ、梶原正義氏、ニート・ギングリッチ元米下院議長(共和党)、、米教団元会長とされるマイケル・ジェンキンス氏と4人で撮った写真も公開されました(写真は東京新聞12月9日付、共同)。本来は安倍元首相と面会する予定だったのだが、日程の都合で岸田氏が出席したらしい。
朝日新聞報道ではキングリッジ氏はその会合を認め、写真も提供した。この報道を受けて岸田首相はキングリッジ氏と面会したことは認めたが、そのとき同席した人に「覚えがない」と述べたんですね。「安倍さんに頼まれてしょうがなく出席したのが、今になってたたった」ということかも知らないが、「教団関係者とは知らなかった」などという強弁を信じる人はいないですね。これは安倍譲りの虚言です。
自民党総裁でもある人が自らの統一教会との関係を隠蔽しているのだから、他の自民党議員がシラを切るのも当たり前。これもあいた口がふさがらないですね。細田博之衆院議長が統一教会問題でほとんど口をふさいでも、これを叱責できるわけがない。
B その細田議長にも唖然とすることがありました。彼は10月20日に「病いで議長を務めるのは無理になった」と衆院議長を辞任しつつ、次期衆院選には引き続き出馬すると宣言しました。これにはちょっと驚きましたが、議長引退後1か月もしない11月10日に多臓器不全で亡くなったのでまた驚きました。死の直前まで議員にしがみつく執念は、まことに恐れ入りやの鬼子母神です。
ここでも石橋湛山を引き合いに出すと、彼は首相就任直後に過労が引き金となって脳梗塞で倒れ、「2か月の絶対安静が必要」との医師の診断を受けたとき、「私の政治的良心に従う」と潔く退陣したけれど、その後回復、亡くなったのは15年以上後のことです。
・オスプレイ「不時着水」し乗員8人死亡
A まだまだありますね。極め付きがオスプレイ「不時着水」です。かねて安全性に疑問が出ていた米空軍輸送機「オスプレイ」が11月29日、鹿児島県屋久島沖で墜落、乗員8人が死ぬ事故がありましたが、会見した宮沢博行防衛副大臣は事故について こう説明しました。「最後の最後までパイロットが頑張って(コントロールして)いたということだから『不時着水』だ」。墜落を「不時着水」と言い替えれば、事故の衝撃性が弱まるとでも思ったのか、いかにもアメリカに気兼ねした物言いです。念を押すのもばかばかしいが、これが東大法学部出身者の発言です。
B 「不時着」というのは諸般の事情でやむなく予定地以外に着陸することで、乗員はまず無事の場合が多いでしょうね。墜落(crash)を「不時着水」と言い換える日本政府に、オスプレイの飛行停止を求める主体的な外交を求めるのは無理。その後、米軍はオスプレイ飛行を全世界で停止すると発表しています。また12月9日の沖縄タイムスウエブ版によると、米国防省はオスプレイの生産を2026年で中止するとのことです(オスプレイの写真は同ウエブから、米軍横田基地)。
オスプレイは「未亡人製造器」と呼ばれたほどの事故多発機で、沖縄県民を初めとして日本配備に反対する声が強かったのだが、日本政府はほとんど何の手も打てなかった。米軍が全世界で飛行を停止すると決めたことで、日本もそれにならうことになった。オスプレイを在日米軍と置き換えると、在日米軍基地は米国が不要との判断をしない限り日本に存在し続けるわけで、ここに主体的な外交というものはない。これが日米安保体制の真実です。にもかかわらず「外交の岸田」を吹聴する岸田首相には、たしかに開いた口がふさがらない。
A こういう日本政治の泥沼状況を受けて出てきたのが泉前明石市長の「救民内閣」構想でしょうね。山本太郎は街宣活動で「泉氏と連携するのか?」と聞かれて、「漠然としていて具体的情報に欠けるので回答できない」と答えていた記憶があります。
B これだけ自民党政権が支離滅裂なのに野党も対決姿勢を打ち出せないでいるところに、「救民内閣」という呼びかけがあった。これは、政党だけでなく、国民そのものにも奮起を促す声だと受け取るべきだと思います。
泉氏の「自民もひどいが、立憲もひどい。国民からすれば、どっちもどっちの状況で、自民にNOだからといって、立憲にYESにはなっていない。その理由は、立憲も国民を向いた政党になっていないからだ。立憲よ、国民のための政策を語れ!財務省にひれ伏する立憲に未来はない」というツイートを86万人が読み、3万人がいいね!を押したところに、国民の気持ちの一端が示されているとも言えますね。
れいわ新選組としても、いよいよ正念場がやってきたということです。前回もふれたけれど、「非自民」だと言って、ここに維新もなだれ込んでくるようなことになると、単なる野合にすぎず、腰砕けになる可能性が強い。最低限の政策で合意して自民に対決する必要があります。そういう点では、れいわが今後の政局の主役になれるように改めてエールを送りたいですね。
というわけで、次回から次期衆院選をめざすれいわ候補の活動ぶりを紹介しようと思います。

それはともかく、この政局液状化の中で前明石市長の泉房穂氏が「救民内閣」のスローガンを掲げたのは興味深いですね。東京新聞11月26日のインタビューで、「国民負担増から国民を救う政治へと転換する『救民内閣』発足に向け、政権奪取構想を練り始めた」と述べています。
A ここで主役を演じるのは山本太郎しかない(^o^)と思うけれど、泉構想がそういう役割を彼にふるかどうかという問題もありますね。
少しさかのぼるけれど、今年6月に日本外交の道筋を考える超党派の議員連盟「超党派石橋湛山研究会」が立ち上がったというニュースがありました。向米一辺倒の外交から転換すべきだとの意味を込めているらしい。
先生が力を入れておられる「気の瞑想」、「光の瞑想」、「心の瞑想」についてもその違いを説明しつつ、瞑想で得られる「穏やかな生活」、「悟り」の世界とはどういうものなのか、先生の40年に及ぶ修業の到達点についても、会報の中から珠玉の3編を選んで掲載しました(先生の横顔も紹介)。
彼は、種子法の廃止、農業競争力支援法など一連の政策変更は、「公共政策や共助組織により維持されてきた既存の農林漁業の営みから、企業が自由に利益を追求できる環境に変える」ことだと言っています(『農業消滅 農政の失敗がまねく国家存亡の危機』平凡社新書、2021)。
また『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』(文春新書、2013)には「目先の自分の利益だけしか目に入らない人々が多すぎる。しかも、国民の幸せではなく、目先の自分の利益しか見えない政治家や、人の命よりも儲けを優先する企業の経営陣が国の方向性を決める傾向が強まっている。‣‣‣。皆、自分たちの目先の利益のみに目を奪われ、支え合う気持ちを失い、 やがては、全体が沈んでいって、そこで初めて気づくのかもしれない」とも書いています。ここには、安くさえあればいいと、輸入農産物に飛びつく消費者の問題もありますね。「消費者にも、食の本物の価値をしっかりと認識して、それに正当な対価を支払うことが当然だという価値観を持ってもらうことが大事だ」という指摘はもっともだと思います。
される支局が「新聞記者の学校」だったんですね。僕も2度目の佐世保支局時代に田中哲也支局長の薫陶を受け、少しはまともな記者になれたかと思っています。その思い出を書いた
「流転」が好きですね。仲間のHさんはギター担当、Tさんはハーモニカ担当、これがプロ級でハーモニカも何本も持っています。おかげさまで好評、皆さん喜んでくださるので張り合いがあります。
ひとことで言うなら、厚顔無恥、ポエムの連続、中身なしです。彼が一番力強く訴えたかったの経済の再生だっだと思うんですけど、三位一体の改革をやる、って言ってるんですよ。労働市場の改革、企業の新陳代謝の促進、物流改革――、労働市場の改革って、これいわゆる流動化でしょ。不安定な仕事をより広げていくってことですよ。企業の新陳代謝の促進は、中小企業潰しです。経済的に不安定な状況のとき、不況のときには、企業を守らなきゃダメなんですよ。でもそういうものをどんどんばらしていくっていうのは、失われた30年を作ってきた戦犯である自民党のやり方を一切変える気が ないってことです。それを、より拡大していくって訴えてるってことですね。だまされちゃいけない。よくそんなこと恥ずかしげもなく、大声で言えてるな、っていうことです。それに対して自民党席はやんやの大喝采です。劇団自民党と岸田さんと一席設けたみたいな光景を私たちずっと見せられてる状況だったということです。
B 話が〝面白く〟なるのは、彼が市長になってからです。初登庁後の市議会一般質問で、市議の1人がいびきをかいて寝ていたので、彼はいきなりツイッター(今はⅩと名を変えているが、以下ツイッターの旧名を使用)で、それを公開します。これが市長vs市議会のスタートですが、市議会でツイッターをやってる市議はほとんどいなかったらしく、ツイッターを見た報道陣がこの件について市議会議長に問い合わせると、議長は「居眠りがどうした?」と言ったかどうかはともく、居眠り議員を擁護すると同時に、議会内の出来事をSNSで発信した行為に対して市長不信を強め、徹底抗戦の姿勢を取り始めます。議会は本来公開されているものだから、それをツイッターで書いたから問題だということはないんだけれど、議員連中が驚いたのはわからないでもないですね。
B その最高潮が7月、いまから3か月前の市長定例記者会見です。市長案件を説明する中で、地元の中国新聞記事を取り上げ、事実関係の記述があいまいだと中国新聞記者を問い詰めました。このことにより、第三者を標榜している新聞メディアが当事者として引き出され、石丸市長の鋭い追及に新聞社側はタジタジの事態となりました。
B ここにはマスメディアのいわゆる「客観報道」の問題点が凝縮しているとも言えます。古くは 60年安保当時の7社共同宣言が反対デモによる死傷者発生を機に「暴力を排し議会主義を守れ」との見出しを掲げ、「その事の依ってきたる所以は別として、議会主義を危機に陥れる痛恨事であった」と、結果的に安保闘争を鎮静化させた例があるけれど、やはり「事の依ってきたる所以」を捨象して「混乱する議会」の正常化を叫んでも、解決にはならないですね。若い市長によって大手新聞社が批判されたと言うので、この安芸高田市制作の動画が再生回数100万回というヒットになりました。
なければならない」と定めているんですね。罰則はありません。
明治神宮外苑の再開発問題は、もちろん樹齢100年もの樹木1000本近くを伐採しようという暴挙にあるだろう。開発関係者の無神経は理解に苦しむところだが、ことの本質はもっと深いところにあると思われる(写真は神宮外苑のイチョウ並木、ウィキペディアから)。
東京大学大学院准教授(経済学)、斎藤幸平は初期マルクスの手稿などを丹念に読み込み、マルクスの環境への関心を掘り起こして、「いま必要なのはコモン(共有財産)の再生である」と言っている(『ゼロからの資本論』NHK出版)。これとよく似た考えは、早くはわが国が生んだ屈指の経済学者、宇沢弘文(写真)によって
「社会的共通資本」として提起されている。
この高度に発達した資本主義と不即不離の関係で、私たちに大きな影をなげかけているのがITの想像を絶する発達である。ダグラス・ラシュコフ『デジタル生存競争』(ボイジャー)によると、デジタル技術を開発した億万長者たちは、自分たちの利益のためには地球がどう危機に瀕しても、貧しい人びとがどうなってもお構いなしで、自分たちだけが地上 の楽園、あるいは地球外に避難所を求めて、そこで生き延びようとしている。
健康な生活をめざして禅密気功に励んでいる日々ではありますが、日本社会、および世界の情勢はけっして健康とは言えない状況です。とくに日本の現状はひどい。2回にわたって、私たちの周りの情勢について考えておきたいと思います。
2023年の敬老の日(9月18日)にあわせて総務省が発表した人口推計によると、80歳以上が総人口に占める割合が10.1%となった。なんと10人に1人が80歳以上となったわけである。
これは2022年の段階でモナコに次いで2位である(グローバルノート – 国際統計・国別統計専門サイト)。しかも国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2040年には総人口の34.8%になるという。





予想以上に参加者が多かったために、4グループに分かれての行進で、警備の警察官もたくさん出ていましたが、とにかく見物人が多い。スマホで撮影したり、応援したり、飛び入り参加したり、ブラスバンドの演奏もあって、なかなか楽しいデモのようでした。昔懐かしい風景でもあり、これぞ街頭行動の典型ですね。