Zoomサロン仕掛人

<Zoomサロン>お手伝いします

 コロナ禍の外出自粛生活を機に、これまでバーチャルな会合には興味がなかった人びとも、インターネットで仲間と旧交を温めたり、新しい会話の機会を広げたいと思い始めたりしているようです。従来のカルチャーセンターのような集いをサイバー空間に築こうという動きとも言えます。

 当Onlineシニア塾はそういう背景のもとにパイロット・プロジェクトとして2020年5月に遠隔会議アプリ・Zoomを使って開設しました。これまですでに12回のミーティングを実施してきましたが、その経過のなかで、Zoomミーティングに参加したい、あるいは自分も趣味などのささやかなミーティングを主宰したいと思いながら、いま一歩を踏み出せずにいる人が多いことを知りました。周囲にZoomの懇切丁寧な指導をしてくれる人を見つけるのもなかなか難しい状況です。

 そこでOnlineシニア塾では、このほど<Zoomサロン仕掛け人>稼業を始めました。「元締め」のもとに、Zoom指導の実績が長いOnlineシニア塾IT顧問の西岡恭史が仕事を請負います。

 Zoomは実は扱いやすいソフトで、送られてきた招待状のURLをクリックするだけでミーティングに参加できます。だから参加出来たらほぼ8割がたのハードルを越えたことになりますが、そのハードルが超えられない方も多いようです。だからスマートフォンを使った指導なども行います。またZoomにはいろいろ機能があります。会議を主催するときの便利な機能についても伝授します。

 コンピュータへの習熟度、考えているミーティングの規模などによって悩みは様々でしょう。オンライン上にはすでにZoomマニュアルは氾濫していると言ってもいいですが、それはある程度インターネットになれた若者向けだったりして、ずぶの素人には結局、よくわからないということもあります。当「Zoomサロン仕掛人」はそういう初心者にこそ門を開いています。

 昔、マイカーブームがやってきたころ、「エンジンブレーキはどこで売っていますか」と聞いた人がいたそうです。インターネットに関するそういう初心者もアクセスしてみてください。

 矢野はパソコン黎明期に『ASAHIパソコン』というパソコン使いこなしガイドブックを創刊し、その後は「IT社会を生きる杖」としてのサイバーリテラシーを提唱してきました。広がるサイバー空間を積極的に、かつ賢く利用すると同時に、IT社会をより快適でより豊かなものにするのがサイバーリテラシーの願いでもあります(サイバーリテラシーについては、本<サイバー燈台>の「サイバーリテラシーとは」などを参照してください)。

2021.2.2 <Zoomサロン仕掛け人>矢野直明
問い合わせ info@cyber-literacy.com

 

おもいっきりZoomサロン

 全国津々浦々で呱々の声を上げつつあるZoomサロンの一覧をここに掲載します。こういうユニークなことを始めたといったお便りをお待ちします。また<Zoomサロン仕掛け人>が関与したZoomサロンに関しては、すべてここに掲載させていただこうと思います。

◎2021.1.9 『探見』の会「江戸城おもしろ史―天守再建ができたら」

 Onlineシニア塾の主要メンバーでもある森が主宰する『探見』の会(メールマガジン『探見』を毎月発行、読者1000人)が、従来実施してきた現地見学会や講習会を自粛せざるを得なくなって、急遽、オンラインで行なった。40人以上の申し込みがあり、今回の講師は、江戸城天守を再建する会会長太田資暁さん(太田道灌の子孫)。 私もZoomサロンを主宰するのは初めてで、西岡恭史仕事人に助力をあおいだ。パワーポイント画面80枚以上を駆使した太田さんの講演はスムーズに運び、その後の質疑応答、意見交換も大盛況だった。まさに「案ずるより産むが易し」というのが〝大仕事〟を終えたときの感慨だった。(『探見』編集発行人・探見の会代表幹事 森治郎)

◎2021.1.30 「子育てとの両立をしながら働く女性を支援するためのオンラインサロン」

 高山れい子さんが主催する「子育てとの両立をしながら働く女性を支援するためのオンラインサロン」を西岡が手伝いました。事前に主催側とのZoomでの打合せ、当日サロン開始前にMC担当者とも打合せを行いました。
 講師の川崎市議会議員、各務雅彦氏の、地域の子育て環境の向上を目指して議員になった経緯や、銀行勤めをしながら2人を育てたシングルパパの奮闘ぶりを聞いた後、質疑応答がありました。土曜日の昼間ということもあり回線の不備があった方もいたが、8名参加のもと無事終了しました(N)。

◎2021.2.21 高承研でもミャンマーの若者から話を聞く

 Onlineシニア塾第13回<ミャンマーの若者に聞く>をきっかけに、私の主宰する「高度技術者育成と技能伝承研究会」(高承研)でもミャンマーの若者から話を聞きました。前日にマンダレーで国軍の発砲による死者の報道があった影響もあってか、参加頂いたのは星野さん、ミャンマーの若者2人、高承研側は私を含め9名が参加しました。
 話を聞いた後は、CDM(市民的不服従運動)について、アウン・サン・スーチーさんの評価、影で軍を支援する中国の影響力 への懸念、支援活動へのカンパ、広報活動の重要性などについて活発な議論がありました。
 最後に、年長者から60年安保や70年安保闘争のころの思い出や反省の弁を伺い、それに基づいて、短期的な思いに駆られて跳ね上がった活動は控え、理性的、科学的に対処することの重要性が語られました。スーさんからも現状への考え方や抱負が語られて、自分の意見を堂々と話される様子に感心しました。たいへん有意義な会でした(「高度技術者育成と技能伝承研究会」主宰・大野邦夫)。

掲示板を開設

やさしく、美しく、愉快に、まじめに 

 Onlineシニア塾は2020/5月に第1回ミーティングを始めて以来、9月末までに7回のミーティングを重ねてきました。登場したスピーカーは履歴で紹介しています。現在の参加者は約15人です。月に2回ほど夜8時から1時間半ぐらい、世界各地からZoomで顔をあわせてコミュニケーション を続けています。

 このたび参加者&スピーカーがミーティング以外にも自由に話し合えるための掲示板を開設しました。新参加者の自己紹介、ミーティングで言い足りなかったこと、改めての質問、日常雑感などを自由に書き込めるZoomサロンの補完機能です。

 

Onlineシニア塾報告

<Onlineシニア塾>については、<Onlineシニア塾への招待>をご覧ください。以下はその講座履歴です。

講座<若者に学ぶグローバル人生>

・第1回(2020.5.20) 
中国人留学生、ユー・プーホン(余浦弘)さん。(北京の中央財経大学卒業後、UCLA、シカゴ大、スタンフォード大に短期研修留学、2019年から東大経済学部修士課程に在学中)。

・第2回(2020.7.2) 
ベトナムのチャントゥチャンさん。(ハノイ貿易大学在学中の2011年、日本文科省の奨学金を得て来日。東京外大日本語教育センター終了後、2016年に京大経済学部を卒業後、アステラス製薬入社)。

・第3回(2020.7.17) 
ミャンマーのスータングレッさん。(ヤンゴン外国語大で仏語専攻。ミャンマーの日系企業でOLとして働いた後、2015年奨学金を獲得し来日。2018年法政大大学院でMBA取得。同大卒業後、2018年から商社日双勤務)。

・第4回(2020.7.24) 
スウェーデンで日本語を教える雪江しおりさん。(大妻女子大在学中、北京師範大で2年間中国語を学ぶ。上海の日本語スクールでスウェーデン技師と知り合い、結婚してスウェーデンへ。ストックホルム大学で専門職学士の学位を獲得。現在、スウェーデン語学校のキャリアカウンセラーとして勤務)。

・第5回(2020.8.19)
ネパールの青年実業家、パウデル・スンダ―さん。現地からの参加(ポカラ出身。祖父から「日本のラジオは世界一だ」と聞かされて育ち、ネパールの大学を卒業後、1999年に来日。武蔵工業大学で環境情報学を学び、卒業後、日本人と交流する場を作るためネパール・インド料理のレストランを開業した。その後、東洋大学大学院博士課程で木造建築を研究。ネパールで木造建築の普及を目指す会社を設立 )。

・第6回(2020.9.7)
ナイジェリアから留学中のチグメズ・イベグアムさん。2017年にあしなが育英会「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」の奨学生として採用され、2018年春に来日。2年間、JASSO東京日本語教育センターおよび大阪YMCA日本語学校に通い、2020年4月より岡山大学グローバル・ディスカバリー・プログラムに進学中。
 参加者約15人。2年で修得したとは思えない流暢で〝訛り〟のない日本語に全員が驚く。いずれは故国に帰って児童教育に取り組みたいとのこと。あしなが育英会の沼志帆子さんから「アフリカ遺児高等教育委支援構想」についても話を聞く。

・第7回(2020.9.14)
ドイツ在住の映像ジャーナリスト、玉腰兼人さん。立命館大学国際関係学部在学中の2008年9月より交換留学生としてベルリン・フンボルト大学に1年間滞在、日本に帰国し大学を卒業後、再度渡独し「オペア・ホームステイプログラム」に参加、ハンブルグのドイツ人家庭で5人の子どもと1年間生活。2012年、ベルリンの映像制作会社に勤務、2019年にフリーの「VideoProducer/Coordinator」として活動。ドイツ・欧州各国において、主に日本のテレビ番組、各種プロモーション動画・写真の撮影、取材アレンジ・コーディネートなどを手がける。ドイツの難民支援組織にも所属している。
玉腰さんのウエブhttps://www.kentotamakoshi.com
 一人の青年がドイツという社会でたくましく育っている姿は感動的だった。日本の教育のお粗末さを改めて感じさせられもした。

・第8回(2020.10.13)
シェラレオネから留学中のイジキエル・ガイネシさん。2018年にあしなが育英会「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」の奨学生として採用され、2019年春に来日。JASSO東京日本語教育センターに1年間通い、2020年4月より東京国際大学に進学中。デジタル・ビジネス&イノベーション専攻。
 フェイスブックを通じてあしなが育英会を知ったのが彼の人生の大きな転機になった。学校では英語を使ってきたが、来日にあたって日本語に挑戦、大学院にも進んで、将来は国の発展に尽くしたいという。「シェラレオネの福沢諭吉をめざせ」とのエールも飛んだ。

・第9回(2020.10.22)
中国留学生、ショウ・ヨウレイ(焦燁泠)さん。江蘇省・南京市出身。南京外国語学校で中高時代を過ごし、北京科技大学に進学、英語を専攻。大学2年次に、北京大学・国家発展研究院で、経済の第2学位を取得。交換留学で北欧エストニアのタルトゥ大学に進み、その後カリフォルニア大バークレー校のサマースクールを受講。2019年秋に来日し、東大経済学部大学院研究科コースで、農業経済学や、ジェンダー労働経済学を研究中。趣味は、JーPOP、K―POP、テコンドー、ピアノ演奏。
 中国の学生は勉学意欲がすごいらしい。それに比べると日本人学生は「勉学をのんびり楽しんでいる」とのこと。喜ぶべきか、あるいは、そうでないのか。現在、日本企業への就活中。

・第10回(2020.11.10)
ベトナム出身の起業家、ドゥツク・ドバ(Duc Doba)さん。タンホア市生まれ。ハノイ国家大学IT学部を卒業したあと、ソフトウェアエンジニアとして来日。楽天、LINE、ソフトバンクなど大手テクノロジー企業で12年間、IT開発サービス研究開発に従事。日本でのSB Cloud (Alibaba Cloud)サービスの立ち上げに貢献した。2017年に9月に日本の深刻なIT人材の需要と供給のギャップを埋める事業をめざすTokyo Techiesを起業しCEOに。従業員はベトナムと日本側で合わせて35人。在日ベトナム青年学生協会(VYSA)会長も務めた。
 ベトナムの学生時代に縁あって日本企業に就職、いくつかの企業で研鑽を続け、実績も上げた経緯を、現場で覚えたという達者な日本語で、笑顔とともに話してくれた。IT技術者養成事業を日本で立ち上げた動機には篤志家の俤も。

・第11 回(2020.11.30)
セネガルから留学のアストゥ・ンジャイさん。あしなが育英会の高校留学プログラムに合格し、2016年~2019年の3年間は仙台育英学園で過ごす。卒業後、「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」の奨学生として東京国際大学に進学。現在2年生で、経営学・マーケティングを専攻している。
公用語のフランス語、民族語、英語、日本語を話し、スペイン語、朝鮮語も勉強したという。「英語でテストがあると、私が85点ぐらいでも日本人は100点取ったりするけど、話すのはちょっと苦手」。グローバル人生としては、明るく前向きに生きる彼女に対し、日本の若者はかなり後れを取っているようである。

<Onlineシニア塾2020忘年会>

 12月16日、13人の仲間参加のもとにバーチャル忘年会を開きました(1人遅刻)。


 冒頭、フィリピン在住の鮎澤優さんの波乱万丈の半生を語っていただいたあと、Onlineシニア塾に参加しての感想や今後の運営に対する提案などを話し合いました。Onlineシニア塾は新年も月2回程度のペースで進める予定です。少しずつ講座も広げていければと考えています。参加希望者は<Onlineシニア塾への招待>をご覧いただいたうえ、<info@cyber-literacy.com>までご連絡ください。

講座<気になることを聞く>

・第12 回(2021.1.31)トランプ大統領によってあぶりだされたアメリカ社会の亀裂①

 在米数十年の翻訳家、宮前ゆかりさんにトランプ米大統領の4年とその退陣の混乱を通して浮かび上がったアメリカ社会の亀裂について聞いた。コロラド時間の30日午後9時からということで、日本時間は31日(日曜)午後1時からと変則的になったが、十数人の参加のもとに新講座<気になることを聞く>が無事スタートした。
 冒頭、1月6日のワシントンDCで反乱を起こした人々がParlerというアプリで内部の様子を撮影してアップロードしたビデオをProPublicaが時系列でまとめた動画の一部(写真は午後3時ごろの状況)を視聴した(担当/森治郎・矢野直明)。
宮前ゆかりさんはコロラド州ボルダー在住。フリーランスのリサーチャー、翻訳家。TUP(平和をめざす翻訳者たち)メンバー。ボルダーの独立非営利ラジオ局KGNUでニュース番組や音楽番組を手がけるプロデューサーでもある。元ナイトリッダー新聞社メディア研究員。訳書にダニエル・エルスバーグ著『世界滅亡マシン:核戦争計画者の告白』(共訳:岩波書店)、グレッグ・ミッチェル著『ウィキリークスの時代』(岩波書店)など。米国の市民運動に関する複数の記事を月刊『世界』に寄稿している。
 このセッションは引き続き開催する。

・第13 回(2021.2.10)ミャンマーの軍事クーデターで苦悩する日本在住の若者たち①

 本講座<気になることを聞く>第2回(通算13回)は急遽、軍事クーデターの起こったミャンマーの若者、6人を招いて10日午後8時から2時間開催した(担当/星野真波)。
 2月1日のクーデターから10日、ミャンマーではヤンゴンなど主要都市で数万人規模の抗議デモ(軍事政権不服従運動、指3本の表示がシンボル)が行われているが(写真はフェイスブックから)、日本でも先日、外務省前に在日ミャンマー人、約3000人が集まって軍事政権への抗議の声を伝えている。

 当日は6人の若者(女4、男2。20~27歳)が日々の不安な生活の実態やミャンマー民主化を取り戻すための決意などを話してくれた。
 Onlineシニア塾はコロナ禍の自粛生活の中で、インターネットというツールを使ってシニア相集い、世代を超えたグローバルなコミュニケーションを行いたいと始めたものだが、激動する世界の息吹を身近に感じ、また日本人として何をすべきかというある種の責任についても考えさせられる機会となった。
 若者たちは「ミャンマーで起こっている事実を知ってほしい。ミャンマーの民主化のために日本の皆さんにもご尽力をお願いしたい」との強い気持ちから、故国の肉親の安否さえ心配な中で参加してくれた。それにしても、日本語が達者であるばかりか、自分の考えを堂々と開示できるすばらしさ。参加者からは異口同音に驚きの声が上がった。
 このセッションも適宜、開催する予定。

民主主義を守ろうとする社会の「粘り」 ミャンマー国会の8割以上の議席をNLDが占めながら軍事クーデターを許してしまった背景には、民主主義を守ろうという社会全体の「粘り」が薄れつつある世界共通の状況があるようにも思われる。アメリカしかり、日本ももちろん例外ではない。軍事政権はミャンマー国内ですでにインターネットを遮断、逆に、アメリカでは一IT企業たるツイッター社がトランプ大統領のアカウントを停止し、政治の動きに大きな影響を与えた。サイバーリテラシー的にもいろいろ考えさせられる昨今である(Y)。

「軍事政権不服従運動」 日本在住のミャンマーの若者たちと初めて話をした時、異口同音に「ミャンマーで起こっている事実を知って欲しい」と訴えていたのが印象的でした。その言葉には、事実が伝わらずに世界から見放された結果、暴力による支配に陥った時代には戻るまいという決意が込められていたからだと、今回の議論を通して感じました。 日本人の常識やこれまでの報道からは推し量りにくいミャンマーという国の背景や、人々に共有されている感情を汲み取るためにも、直接話を聞く意義を確認できる機会にもなったと思います。
 また彼らが最も伝えたかったこと一つである、「クーデター以降72時間は事態を静観したのと、デモが全国規模で平和的に展開しているのは、軍部側に民衆が暴徒化したという武力鎮圧の口実を与えまいという総意によるもの」だという話も、多くの人に丁寧に伝えられてほしいと思います。彼らは「軍事政権不服従運動」という言葉を使っています。
 ミャンマーと日本との深く、そして、複雑な関係にも話が及びました。彼らにも不安な思いが募っていると思いますが、思い描く進路、将来に向かって活躍できるよう、日本人としてできることを考え、不安な思いの中、話をしてくれた勇気に応えていきたいと思っています(H)。

・第14 回(2021.2.20)巨大地震などに備える燃料電池(災害時の非常用電源)について開発の現状を聞く

<気になることを聞く>第3弾(Onlineシニア塾通算14回)は、災害に備えた非常用電源ということで、自動車産業が先端的に取り組む燃料電池などの開発について、若い研究員、伊東直基さんに話を聞いた.(担当/松浦康彦)。
 冒頭、担当者から日本を取り囲む4大プレート(北米、ユーラシア、太平洋、フィリピン海)の説明と、東日本大震災より一桁大きな南海トラフ巨大地震が2035年±5年のうちに起こるという学者の警告などの報告があり、富士山大爆発も含めて非常用電源を準備しておく必要性が強調された。それを受けて自動車企業の研究部門で燃料電池などの研究開発に携わっている伊東さんの話を聞いた。
 活発な議論が展開され、燃料電池の利用は車に限った話ではなく、家庭用電源としての利用なども考えるべきではないかと、本来なら研究所長や社長に向けられるべき質問も飛んだが、新入社員が研究所長や社長に成り代わって日本社会の、ひいては世界の将来を考えるべき時代なのかもしれない。
 伊東直基さんは1993年生まれ。首都大学東京大学院で電磁環境工学研究室に所属し、電気自動車用ワイヤレス電力伝送装置の漏洩磁界のシミュレーションを実施。大学院卒業後は関東にある自動車メーカに就職し、充給電ユニットの開発に従事している。

備えあれば憂いなし 車載電池解説に絡んで「おのおのがた油断めさるな。大災害は近づきつつあり」との、地震対策を促す一文をとの発注です。コロナ禍による自宅待機指示とテレワーク、東京五輪の先行き不安と組織の混乱、株価の乱高下、東日本大地震後10年目の震度5強の余震など、ゴタゴタ続き。「巨大地震のご警告には感謝しますが、こっちは油断をめす暇もないほど忙しんです!」と言うのが、本心でしょうか……。
 せめて、災害啓蒙家の鎌田浩毅京大教授が、女優の室井滋さんと対談する『地震と火山の日本を生きのびる知恵』(KADOKAWA)など、ご一読いかがでしょうか?「最近は老眼が進んで、活字本から縁遠い」。そうなら、放送済みの番組を家庭向けに、格安の価格でネット向けに流している、NHKオンディマンドによる1本220円の視聴は? 過去の大地震の記録から、地震のメカニズム、大津波のシミュレーションなど、ノートパソコンでも視聴できます。3本も見れば、いっぱしの地震通になれます。「そうまで言うなら、暇な時間に寝っ転がって見てみるか」。ご協力ありがとうございます。
 あ!、視聴前に、阪神淡路大震災や、東日本大地震発生年から、想定される南海トラフ大地震発生予想年の2035年±5年、遅くとも2040年に至る、年表作成をぜひお勧めします。ご自身はもちろん、御家族、親戚筋の年齢や、想定される、就学歴や就職歴を記入すれば、来る巨大地震が他人事でなくなって来るかと。「幸福な家庭はみな、同じように似ているが、不幸な家庭は不幸せも様々で、それぞれ違うものだ」との、トルストイの名作の書き出しを想い出しました。備えあれば憂いなしで、お過ごし下さい(M)。

 花見と直基とときどき松浦 コロナ禍の冬も終わり、急に春らしい季節になった。私は『ASAHIパソコン』を創刊した1988年から裏山の源氏山で毎年、見ごろの日曜日を選んで花見の宴をはってきた。多い時には100人ほどの参加者があり、紅白の垂れ幕を背に、敷きつめたゴザの上で女装した芸人が舞ったり、カラオケに興じたりした。雨の日は我が家に集まって花より酒の宴となり、花冷えの夕方もやはり我が家で二次会をした。つい最近まで30年以上続けてきたが、花も参加者も高齢化し、つい数年前に打ち切った。
『ASAHIパソコン』草創期にアルバイトとして3人の学生が手伝ってくれていたが、彼らは毎年、花見にも参加、そのうち彼女を連れてくるようになり、ほどなく結婚、そのうち親になった。子どもたちの中で同い年の男の子2人はすっかり仲良くなり、年に1度の出会いを楽しみにしていた。彼らは満開の桜の下でも、花吹雪の中でも、雨に打たれる花びらの上でも、ほとんど花には背いて、ゲームなどに興じていた。時がたち、2人は社会人になり、それぞれ自動車関係の会社に就職した。そのうちの1人が今回、花見の義理に背かず、講師役を買って出てくれたわけである。今回の授業を担当した松浦氏も花見後半の常連だった。
 金も組織もない「バーチャル井戸端会議」である我がOnlineシニア塾が、よって立つのが個人的なつながりだということを示すエピソードとして、この話を記した。インターネット上に半ば開かれ、半ば閉じた空間(トポス)が、IT社会のオアシス、あるいは核になる可能性に触れておきたかったからである(Y)。

Onlineシニア塾への招待

 依然として収束しそうもないコロナ禍だが、Onlineシニア塾は、その蟄居する日々の中で、ロートル3人組(松浦康彦・森治郎・矢野直明)が、時代に取り残されないようにと、しこしこ始めた「Zoom勉強会」が発端である。

 コンセプトは<オンライン(ミーティングツール、Zoom)を使ったシニアのためのグローバル・コミュニケーション塾>。塾生はもっぱらシニアで、①若者に学ぶ、②シニア同士語り合う、③若者に伝える、の3分野(ジャンル)を想定しているが、当面は「若者に学ぶグローバル人生」をテーマに、日本在住の留学生や海外に留学中の日本人(や日本語をしゃべる外国人)に話を聞いている。

 心理学者、ユングが言う「人生の午後」を有意義に過ごしたいと思っている人、伊能忠敬の「一身二生」を生きようと考えている人、さらに言えば、藤沢周平の描く三屋清左衛門のように「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ」を実感している人々、そういう人に参加していただければ、と考えている。

 一般に「シニア(年長者)」とは何歳ぐらいから言うのか、実はきわめてあいまいである。若者から見ると40歳は立派なシニアだろうし、俺はシニアじゃないという65歳もいるだろう。国連では60歳以上がシニアらしい。日本では高齢者(65歳以上)、後期高齢者(75歳以上)という区分もあるが、本塾ではだいたい50歳以上を対象にしようと思っている(50歳未満でも参加資格がないということはない)。

 スピーカーも塾参加者も当面はボランティア(無料)である。いまスピーカーおよび参加者のリストを整理しつつあるが、当面それぞれ50名ぐらいまで拡大したいと考えている。参加者だけでなく、スピーカー同士の交流も深められるようにしたい。また参加者はただで貴重な体験談を聞かせてもらうのだから、彼ら(彼女ら)の日本について聞きたい、あるいは教えてほしいという声には、昔取った杵柄で喜んでお役に立つ覚悟があることを参加心得の一つとしたい。

 いまや多くの情報発信がユーチューブやツイッター、インスタグラムなどのSNS経由で行われている。すっかり影を薄めたマスメディアに代わってこれらソーシャルメディアを使った良質の硬派記事が多くなっているが、趣味の園芸、クッキングなどさまざまな情報発信も花盛りで、教えたり、教えられたり、けっこう実のあるコミュニケーションが繰り広げられている。そこにOnlineシニア塾がどう一石を投じられるかは、今後の成り行き次第である。

 参加希望はもちろん、スピーカー候補の応募や推薦をお待ちしているが、いずれは講座数を増やし、<若者に学ぶ>以外にも<シニア同士語り合う>、<若者に伝える>分野にも広げたいと思っている。当面の講座開催候補は「Zoomことはじめ(Zoom入門)」、「私が自慢できる杵柄(仮称)」の2つである。

 ミーティング用ソフトはグーグル、マイクロソフト、フェイスブックなどが各種提供しているが、Onlineシニア塾ではZoom(ズーム)を採用している。送られてきた招待状のアドレスをクリックするだけでミーティングに参加できる使いやすいソフトである。まだZoomを使ったことがないけれど、参加したいという人には「私家版・Zoom自由自在―シニアも使える超簡単マニュアル」を配布する用意がある。内容は(PART1 招待メールが送られてきたら、PART2 自分がホストになるには、PART3 Zoom快適生活のすすめ)である。

 Onlineシニア塾はスタートしたばかりである。ご意見、ご感想などをお寄せいただけると幸甚です。またZoomミーティングは、だれでも簡単に主宰できるから、各自でいろんなOnlineシニア塾を立ちあげ、その内容、参加者などを本サイバー燈台<Onlineシニア塾info@cyber-literacy.com>までご連絡いただければ、その趣旨を勘案しつつ、随時紹介しながら、当サロンをよりグローバルに拡大していきたいと考えている。

 現在までの講座開催履歴などは<Onlineシニア塾報告>をご覧ください。なお本塾の規則や参加心得については別途定め、折々に本欄で公表する予定である。参加者をグローバルに広げるとともに、使用言語も英語をはじめ多様なものにできればすばらしいと思っている。

文責・矢野 2020.7.29