山本太郎が次期総理候補第2位に
B 号外だよ、号外。
A えっ、何ごとですか。
B 次期総理にふさわしい人としてれいわの山本太郎が第2位に選ばれた!
A そりゃすごい。どこの調査なの?
B まあ、調査というほど大げさではないけれど、ウエブのAERAdotが12月13日から15日にかけて、記事やSNS、メルマガなどを通じて回答を呼びかけた結果だそうです。設問は2問で、「次の首相には誰が相応しいと思うか」、「その政治家を選んだ理由」をそれぞれ記述式で尋ねたもので、回答数は719件(男性505件、女性189件、その他・無回答25件)だった。回答数が少ないのを念頭に置いた上だけれど、その上位5人と得票数は表の通りです。

A やはり自民党の石破茂が断トツ1位ですね。山本太郎が2位につけたのはたしかにすごい。このところ各メディアの世論調査で岸田政権の支持率が10%台に落ちたとか、不支持が80%近いとか報じられており、自民党の政党支持率もぐっと下がっていますね。その中で自民党支持層を中心に次期総裁候補として、クリーンな印象がある石破を選んだのだろうけれど、他の自民党所属議員を抜いて、山本太郎が2位というのは、有権者の期待がれいわ新選組と山本太郎に集まっているということじゃないですか。
B 山本太郎を選んだ理由として、〈庶民の苦しみを街中質問で聞き回っているから〉、〈しがらみがなく、市民目線にたった仕組みに変えてくれそう〉、〈何のしがらみも無く国民目線の素晴らしい国会質問をしている〉などがあったようです。
世論調査で同時に行われている政党支持率でいま一つれいわが伸びないのを残念に思っていたのだけれど、山本太郎2位は号外に値しますね。
A その政党支持率だけれど、センキョという会社が今年8月から毎月、全国386万人余りの市民が参加するプラットフォーム「タウンマッチ」を組織して、内閣や政党の支持率などを調査していますが、なんと、この12月の政党支持率を見ると、れいわが11.9%。自民党18.6%、日本維新の会14.1%にくらべて3位ですよ。立憲民主党などわずか4.9%です。
センキョという会社は「民主主義をもっとスマートに」をキャッチフレーズに2019年に発足した若い会社で、ウエブの説明によると、「市民の声がより容易に社会に反映されるようになる『ワクワク』を実現する。社会と国民がなめらかにつながる社会の実現をめざしていきます」とあり、まっとうな会社のようですね。今回の調査は386万人の母集団の中からランダムに抽出した2041人からの回答で、その年齢別構成は右の通りです。年齢的偏りはないですね。この調査で岸田内閣支持率はわずか9.3%です。
B 新聞社などの調査における政党支持率との乖離は何を意味しているのか、これは興味深い問題です。この 調査だと以前かられいわの支持率は10%を超えているようですね。マスメディアのサンプルに偏りがあるのか、あるいは逆なのか、これはわかりませんが、1つ推測できるのはマスメディア好みというか、そちらに引き寄せられる層とそうでない、どちらかと言うと、より平均的な層にかなりの意見の相違があるということではないでしょうか。プラットホームの設計がどれだけ客観的になされているかだが、こういう世論調査システムが出てきたことは、大いに歓迎すべきことだと思います。
センキョ層の人びとがそのまま投票行動に向かうかどうかは留保が必要でしょうが、直観的に言えば、投票しない確率が高そうにも思います。しかし、国民全体の意識としてはこちらがより正確なのではないか。国民の意識も流動傾向にあり、多くの人が投票するようになれば、当然、れいわに有利に働くと思いますね。我田引水的だけれど、たしかに我々には嬉しいニュースです。
A 山本代表はたしか、支持率には一喜一憂しないと言っていたと思いますが、これはすごい結果ですね。マスメディアが依然としてれいわ黙殺に近い状況の中で、これだけの支持が集まっている。増税ストップデモやおしゃべり会が各地で大盛況の影響も大いにあるのでは?
ところで、元の号外ニュースに戻ると、普通なら野党第一党の党首が上位に来てもおかしくないのに、立憲民主党の泉健太が枝野幸男、小沢一郎、共産党の志位和夫より下の14位というのも興味深い。前川喜平さんがツイッターで「泉健太氏を総理大臣にしたいと思えない悲しさ」とつぶやいていたけれど、かなりの層がそう思っている反映じゃないですか。
B 「救民内閣」構想の泉房穂元明石市長は9位につけました。このニュースを教えてくれた知人が「泉さんがれいわから出馬したらおもしろい」と言っていたけれど、たしかに。実現する可能性は低いだろうけれど、当面、この2人の今後の去就には注目したいですね。(一部敬称略)

我が国有数の経済学者、宇沢弘文はかつて「社会的共通資本」という考えで、自然と人間の関係を射程に入れた経済学の構築に挑みました。彼の説明によれば、社会的共通資本には自然環境、社会的インフラストラクチャー、制度資本の3つがあり、大気、水、森林、海洋、土壌、道路、交通機関、上下水道、電力・ガス、さらには教育、医療、金融、司法、行政など、みんな社会的共通資本です。そして「社会的共通資本は、一人一人の人間的尊厳を守り、魂の自立を支え、市民の基本的権利を最大限に維持するために、不可欠な役割を果たすもの」(『社会的共通資本』、岩波新書)とされていました。この社会共通資本も含めてどんどん「商品化」し、企業が儲ける経済が新自由主義で、このタガのはずれ具合が現代政治に反映しているのは明らかだと思います。
A まだ30代。アメリカの大学や台湾大学大学院を経て外務省に入り、ロシアに長く勤務していたようです。自らの官僚生活を通じて自民党政治に強い疑問を感じ、「自民党を支えるのではなく、自民党政治を変えるために政治家になろう」と決意したと言います。
A 大阪でやはた(八幡)愛、福岡では奥田ふみよ(芙美代)が立つことも決まっています。ご両人は2022年参院選にも立候補、そのときに<折々メール閑話>でも紹介しています。
A 奥田ふみよ(福岡3区、兼比例九州ブロック)は糸島氏在住、ピアノ教師で3人の子の母。学校のカルト校則への批判を強めて、いろんな学校に出かけています。演説もだんだん堂に入るというか、たくましくなってきました。
本コラムでもときどき引用するトラジロ君がこの
A 当時本人がユーチューブで、「街頭でよく『残念だったねえ』と慰められるんですよ。『いや、私、当選したんですよ』」と言っていたのがつい最近のようですが、その後の「切り込み隊長」としての活動は目覚ましいですね。
たあと大阪府に就職、あの橋下徹が大阪府知事になって職員にハッパをかけた朝会だかで、橋下徹に噛みついて名を上げたようです。議員になってからも一貫して維新(日本維新の会)批判や、大阪府・大阪市が推進するIR(カジノ)や大阪万博批判を繰り広げてきました。大阪万博がいかに時代遅れの金食いイベントであるか、今ようやく明らかになりつつあります。
B 全文を書き起こして、
この名演説はぜひご覧いただきたいと思います。そこにこんなくだりがあります。
A 岸田首相に関しては、最近になって彼が自民党本部で統一教会幹部と同席していたことが明らかになりました。朝日新聞がスクープしたもので、彼が党政調会長だった2019年10月に統一教会の友好団体「宇宙平和連合ジャパン」トップ、梶原正義氏、ニート・ギングリッチ元米下院議長(共和党)、、米教団元会長とされるマイケル・ジェンキンス氏と4人で撮った写真も公開されました(写真は東京新聞12月9日付、共同)。本来は安倍元首相と面会する予定だったのだが、日程の都合で岸田氏が出席したらしい。
B 「不時着」というのは諸般の事情でやむなく予定地以外に着陸することで、乗員はまず無事の場合が多いでしょうね。墜落(crash)を「不時着水」と言い換える日本政府に、オスプレイの飛行停止を求める主体的な外交を求めるのは無理。その後、米軍はオスプレイ飛行を全世界で停止すると発表しています。また12月9日の沖縄タイムスウエブ版によると、米国防省はオスプレイの生産を2026年で中止するとのことです(オスプレイの写真は同ウエブから、米軍横田基地)。
それはともかく、この政局液状化の中で前明石市長の泉房穂氏が「救民内閣」のスローガンを掲げたのは興味深いですね。東京新聞11月26日のインタビューで、「国民負担増から国民を救う政治へと転換する『救民内閣』発足に向け、政権奪取構想を練り始めた」と述べています。
A ここで主役を演じるのは山本太郎しかない(^o^)と思うけれど、泉構想がそういう役割を彼にふるかどうかという問題もありますね。
少しさかのぼるけれど、今年6月に日本外交の道筋を考える超党派の議員連盟「超党派石橋湛山研究会」が立ち上がったというニュースがありました。向米一辺倒の外交から転換すべきだとの意味を込めているらしい。