新サイバー閑話(108)<折々メール閑話>㊾

#大石あき子、橋下徹に完全勝利したってよ

 B れいわ新選組の大石あき子衆院議員が2021年12月に配信された「日刊ゲンダイ」のインタビューで、元大阪府知事の橋下徹氏に対して、「気に入らない記者は袋だたき」にし「飴と鞭でマスコミを服従させた」などと批判したことに対し、橋下氏が大石さんと「日刊ゲンダイ」を名誉棄損だとして慰謝料300万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁(小川嘉基裁判長)は1月31日、「発言の重要な部分は真実で、論評の範囲を逸脱していない」と、橋下氏側の請求を棄却しました。大石あき子の完全勝利と言っていいようです。
 大阪の記者会見に東京の議員会館からZoomで参加した大石さんは「橋下さんが府知事時代にやってきた、メディアを使って勢力を拡大するやり方が今度の裁判によって明らかになったのだと理解している。橋下さんは判決を真摯に受け止めてほしい」と述べました。

A メディアを権力的、弾圧的な手法で支配しようとする橋下流のやり方が「ほぼ真実」だと認められたわけで、訴えた橋下氏側にすれば、かなりの痛手だと思いますね。

B 都合のいいことを書くメディアを優遇、逆に批判的なメディアには不利益をもたらす橋下流のメディア選別〝喧嘩〟手法は、実は大阪で維新が躍進する背景でもあったわけですね。この訴訟は橋下氏が名誉を棄損されたとして大石さんを訴えたものですが、大石さんが批判した内容がほぼ真実と認められたことは、報道の自由という観点からしても、意味のあることだと思います。大石さんが訴えられた当初、ツイッターなどで「どこかでこれは〝おいしい〟訴訟だと思うところがある」と言っていた予感が当たったとも言えます。もっとも橋下氏側は控訴するようです。
 まだ判決理由を読んでいないけれど、弁護団の説明を聞いた範囲では、近ごろめずらしいすっきりした判決だったようです。橋下流のメディア操作については思い当たるところがあります。これは古巣の朝日新聞がからむ事例ですが、2012年に『週刊朝日』が「ハシシタ・奴(やっこ)の本性」という連載(筆者はフリージャーナリストの佐野眞一)をしましたが、橋下氏の出自が明らかにされたことで、当時の橋下大阪市長がツイッターで批判したほか、定例記者会見で朝日新聞を批判、朝日新聞と朝日放送の取材を拒否したんですね。記事にはいくつかの瑕疵があり、後に『週刊朝日』側と橋下氏側で和解が成立していますが、突然記者会見をして、当該社の取材を拒否するという強権的なやり方には疑問が出されました。結局、この連載は打ち切りになっています。
 半藤一利・保阪正康『そして、メディアは日本を戦争に導いた』(東洋経済新報社、2013年)にこの問題に触れた個所があり、「新手の劇場型言論操作」として、以下のように話しています。

保阪 この問題では、『週刊朝日』で書いた佐野眞一君にも甘いところがあると僕は思います。それでも、橋下氏の抗議の仕方自体が暴力的だなと感じる。発想そのものに暴力があるんですね。『週刊文春』や『週刊新潮』だって、あれと似たような記事を書いているのに、橋下氏側からは何も言ってこなかったと聞きます。そこに、彼の計算があるんでしょうか。
半藤 狙ってやったんですかね。
保阪 橋下問題を通して、何かが崩れて、何かの罪が開いたという感じがします。
半藤 あえて言ってしまえば、解決を求める抗議ではなく、 一方的な相手を傷めつける暴力そのものに近づいてしまったなと感じます。

A 大阪では橋下氏を中心とする維新勢が飛躍的に勢力を伸ばしましたが、そこには在版のテレビ局を巻き込んだメディア戦略があったわけで、これを機会にメディアも主体性を回復すべきでは。

B ここで<お詫びと訂正>です。<折々メール閑話>㉕「訪れた春を愛でつつ、つれづれ閑話」(『みんなで実現 れいわの希望』所収、アマゾンで販売中)で書いた半藤一利の「40年史観」が本書に図示されていて、それによると、1945年から51年までの占領期間が「空白の6年」とされています。したがって本コラムでは1985、および2025年が40年の節目だとしていますが、実際は、1992、2032年になるようです。訂正して、その表を掲示しておきます。

A 来るべき日本の底が2032年に伸びたわけですが、2025年の方が信憑性がありそうですね(^o^)。いや、2032年に向けてじりじりと崩壊していくのかな。

B 半藤さんは自説に対して、「当てにならない説ですけれど、ただ、現在がかなりおかしくなりつつある時期にあることは確かです」と言っています。11年前の話です。

A 日本はいよいよ混とんとしてきたとは言えそうですね。自民党の裏金問題は大山鳴動して鼠一匹、検察の捜査は尻すぼみで、自民党や岸田首相の対応はまったくのおざなりです。岸田首相の関心は、裏金問題の解決や能登地震の対策よりも自分の首相在任期間をいかに延ばすかを念頭に置いた政局一辺倒のようです。これじゃ、国は亡びますね。
 1月24日に開かれた参院予算委員会で山本太郎代表が岸田政権下で起こった自然災害11件を上げて、それらの被害者が現在苦しい状況に置かれたままであることを具体的に説明、口先で「政府全体として災害対策に万全を期す」と言うだけで、実際は自治体に丸投げしている国の姿勢を厳しく追及しました。
 れいわにあてがわれた、たった6分の質問でしたが、この動画は全国民に見てほしいですね。どちらが総理大臣に相応しいかは一目瞭然です。キシダという人物は人間としてのバッグボーンがまるでない。被災者にまったく無関心、無脳無策脳天気です。その裏で憲法違反の軍拡、武器輸出をスルスルと決定、日本を戦争する国にしてまった。唖然というより慄然とします。
 そこで頑張っているのは、やはりれいわ新選組でしょう。山本太郎代表はいち早く能登入りし、1月17日には声明「石川県能登半島地震の復興にかかるれいわビジョン」を発表しています。

 れいわビジョンとは、 甚大な被害をもたらした「能登半島を完全復興」させ、どの地域にどんな災害がおきても、必ず国の責任で元の生活水準を取り戻すことを国民に示す約束である。誰もが住み慣れた地域で、なじみのコミュニティとともに幸福な生活を希求できるよう、憲法上の国の責務を履行する政策を能登から実現する。復興、と言葉だけ踊り、実際は将来的に過疎地域として放棄する様な取り組みは許されない。この災害復興は、日本全国あらゆる地域での国民の生活を守る国の姿勢が問われている。

 能登半島を災害大国日本に本気で取り組むモデルケースとし、具体的な提言をしています。詳しくは声明をご覧いただきたいと思いますが、その5には「不要不急な事業(大阪万博、辺野古埋め立て工事)は中止し、被災地に社会的リソースを回すとともに、復興を理由とした増税をおこなわない」とあります。
 まことに格調高い。これこそが政治ではないでしょうか。一人でも多くの人がれいわへの認識を高め、応援してほしいと切に思います。