東山「禅密気功な日々」(32)

真夏の夜にお奨めする本2

 連日の猛暑ですが、みなさん、禅密気功に励みつつ、元気にお過ごしのことと存じます。気功の神髄と無関係とも思えない2冊の本を、真夏の夜にお楽しみください。ともにかなり以前の出版なので、ご存知の方も多いかと思いますが、まだ読んでいない人は――。

 政木和三さんが25年前に書いた『この世に不可能はない』(サンマーク出版、1997)は、気功愛好者必読だと思われる。政木さんはすでに故人だが、彼によると、人はだれでも「肉体」と「生命体」からなっている。生命体はエネルギーで、一つではなく、精神的に成長すると次々に新しい生命体ができてくるらしく、肉体が滅びると生命体は肉体を離れ、いずれ別の肉体に宿ることになる。輪廻転生である。

 政木さんは大阪大学工学部で電気、建築土木、航空、造船学から醸造学まで学部の全学科を収め、そのあとさらに7年、医学部で学んだ。その知識を生かして、生前に3000件ほどの特許を得たが、すべて無料で公開した。瞬間湯沸かし器、自動炊飯器などみなそうらしい。金儲けにはほとんど興味がなかった人である。

 ・私たちは「肉体」と「生命体」の合体

 根っからの科学者である政木さんが超常現象といったものを信じるようになったのは50歳を超えてからということだが、彼によると、この世の中には人間の知らないもうひとつの未知のエネルギーが確実に存在するという。そしてこのエネルギーは、実は人間の肉体の内側にも潜んでいて、ある状態のもとにおかれると、それが前面に出てきて、とうてい信じられないような力を発揮できるようになる。

 彼は言っている。「私は、科学者でありながら、神の存在を信じている。神といっても、天のどこか高いところにいるわけではない。人間の肉体の中に宿っているだけである。それを私は『生命体』と呼んでいる」、「生命体の存在を自覚することは、非常に大事なことだと思う。生命体とは、別の言い方をすれば、魂であり、私たちの中にある神もしくは守護神であり、あるいは宇宙そのものであるといっていい。それはすべての人間の心の奥深くに潜んでいる。だからこそ私たちは誰もがみんな尊いのである。その生命体を自らの内側に自覚し、その声に耳を傾けることは、無限の可能性に道を開く第一歩となるだろう」。

 禅密気功では、慧中を開いて無限の宇宙を見ることを奨めている。「慧中が開けてはじめて、自然と『微笑み(歓び)は心の底からとめどなく湧き上がる』という状態になれます。慧中が真に開けば、心身は改善され、悟りが開け、智慧が湧いてきます」(朱剛先生の言葉。東山明『健康を守り 老化を遅らせ 若返る』サイバーリテラシー研究所刊、P86)。

 私たちは生命体のエネルギーにふれると、信じられないような能力を発揮できるようになる。神は自分自身であり、同時に宇宙である。それは臨済宗中興の祖、白隠禅師の坐禅和讃冒頭の「衆生本来仏なり」を思い出させるし、「私たちの体内には地球(星)のリズムが流れている」という以前紹介した解剖学者、三木成夫の考えにも通じる。孟子が言った「浩然の気」もそうだろう。

 また前回とりあげた『死は存在しない』で田坂広志が強調していたのは、現代科学の最先端はミクロレベルでは「物質は存在しない、あるのは波動エネルギーだけである」という地点に到達、逆にマクロのレベルでは、「量子真空が大爆発を起こして、そこから銀河系も、太陽系も、地球も、そして人類そのものも誕生した」ということだった。そこでは物質と精神、ミクロとマクロの境界そのものがあいまいになると同時に、それら先端科学の知見は、古くからの神話、宗教、民俗信仰、心理学、哲学などが言及してきたさまざまな神秘現象とも関係がある。政木さんは、過去、現在、未来の記録がすべて蓄えられているゼロ・ポイント・フィールド、あるいはアカシック・レコードにもアクセスしていたと言う。

・プレアデス星ですばらしい文明を見てきた

 もう1冊は上平剛史『プレアデス星訪問記』(たま書房、2009)である。Online塾DOORSで情報通信講釈師、唐澤豊さんが紹介してくれたのだが、上平さんは16歳のとき、プレアデス星人に迎えられ、宇宙船に乗って銀河系内のプレアデス星を訪問したという。プレアデス星は地球よりはるかに文明が発達しており、科学技術を賢明に利用し、理想的な生活を営んでいる。いわく、「我々の宇宙科学は波動と光の科学であると言っても過言ではないでしょう。物質世界と非物質世界を徹底的に解明し、これ以上できないレベルまで細分化しました。そして、波動と光の科学を駆使し、元の原子、分子に科学の力を加え、新たな物質を創り、物質を自由にコントロールするところまで科学を進めたのです」、「宇宙には宇宙開闢以来の記録『アカシック・レコード』があり、それを見れば過去がすべてわかることを発見したのです。過去の場面は映画のフィルムのひとコマを見るようなものです」。

 貨幣経済とは無縁の、争いのない、弱いものほど助け、足りないものほど補うという「愛の奉仕活動を基本とする社会」をつくっており、肉体と霊魂(精神)が進化をとげ、思考力でモノを作り出せるから、飲み物や食事も瞬時にできるし、宇宙船はテレポーテーションで広大な宇宙を自由に飛び回っている。輪廻転生、死は新しい生であり、人びとは死ぬことを悲しまない。

 一方で、地球は貨幣経済に毒され、利己主義に凝り固まり、自然を搾取し続けたために、地球はすでに悲鳴を上げている。上平さんはその地球人を目覚めさせるための使徒としてプレアデス星に招かれ、この書を書いたのだという。「もし地球人類がプレアデスの科学を手に入れたいのなら、まず心のありかたを変えなければなりません。‣‣‣。『他人を愛し、奉仕を基本とする社会にしなければなりません。人間が知識を得ることも必要ですが、それ以上に『心のあり方』が重要なのです。その心のありかたが、地球人はあまりにも幼稚でありすぎるのです」。

 このコラムの文章をまとめて、サイバー燈台叢書第1弾として東山明『健康を守り 老化を遅らせ 若返る』を刊行したのは2021年9月である。朱剛先生への禅密気功入門編、および動功篇のインタビューを終え、その後、静功編に移る予定だったが、コロナ禍や私自身の準備も整わないうちに2年が過ぎた。今度こそ、秋には瞑想教室に参加し、その後に朱剛先生に静功編(瞑想編)インタビューもお願いし、年内には『健康を守り 老化を遅らせ 若返る』Ⅱも刊行したいと思っている。

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