東山「禅密気功な日々」(11)

老いは降り積る

 深夜、山や里、あるいはビルの谷間にしんしんと降る雪のように、老いは私たちの骨、筋肉、内臓に降り積る。それはまさに忍び寄る。

 最近、健康寿命ということが言われるが、これは「心身ともに自立し、健康的に生活できる期間」という意味である。平均寿命が長くなっても、健康に生活できなければ快適な老後というわけにはいかない。2016年のデータだと、平均寿命と健康寿命の差は、男性で約9年、女性で約12年である。女性の方が平均寿命が長いから差が長いのは当然として、健康寿命はだいたい男性で73歳、女性で75歳である。

 ロコモティブシンドローム(通称ロコモ、運動器機能低下症候群)という言葉を聞くことも多くなった。老化や骨折などのけが、骨粗しょう症、関節リウマチなどによって筋肉をはじめ関節、軟骨といった運動器が衰えて運動機能が低下してしまった状態を言う。

 だから高齢者ならではの筋肉トレーニングも大事だけれど、筋トレは積雪に耐える屋根や柱を補強する効果があるが、雪をかき出したり、溶かしたりしてくれるわけではない。老いを払いのけるために有効なのが築基功、とくに蠕動だと私は思っている。

 高齢者にとっての筋トレの心構えなども随時書いていくつもりだが、「老いを払う」点できわめて効果的な気功をより多くの人に知っていただくために、これから追々に禅密気功の指導者、朱剛先生に気功のすばらしさを聞くシリーズを掲載していく予定である。乞うご期待!!

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