さとしくん
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まいちゃん
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みきちゃん
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お母さん
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サイバー博士
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この連載の主人公
小学4年生 |
さとし君の
クラスメート |
さとし君のお姉さん
中学1年生 |
さとし君の
お母さん |
サイバーランドから
やってくる謎の博士 |
「本屋さんで雑誌やマンガの
写真をとるのは悪いことですか」 |
カメラ付きケータイは、前回もお話ししたようにとても便利ですが、使い方をまちがえると、多くの人にめいわくをかけてしまいます。ときには法律に違反することもあります。よく考えてからシャッターをおしましょう。 |
デジタル万引きも万引きもダメ!! |
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雑誌を
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駅まえの本屋にでかけたさとし君。毎週、楽しみにしているマンガ雑誌を見つけてにっこり。 さとし君が雑誌を手にとって、ふと顔を見あげると、となりにいた中学生くらいの男の子が雑誌にケータイをむけています。 あっ、写真をとっているんだ、とさとし君が思っていると、店の人が中学生に注意しました。 「雑誌を撮影してはダメだよ。それも万引きだぞ」 すると、その中学生はなにもいわずに、にげだしました。 撮影も万引きなんだと、さとし君は意外に思いました。すると、こんどはべつの場所で、大学生がおこられています。 「お客さん、ケータイでの撮影はこまるんですよ。あそこのポスターにも書いてあるでしょう」 「メモがわりにちょっと撮影しただけですよ。なぜ、ダメなんですか」と大学生がぎゃくに聞いています。 「なぜって、あんた大学生にもなって、著作権の意味もわからないんですか」とお店の人があきれています。 チョサクケンって、いったいなんだろう。 |
写真を
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さとし君は晩ごはんのときにお父さんに聞きました。 「チョサクケンって知っている?」 「著作権?絵や写真などの作品や文章を作る人の権利を守ることだろう」 「フーン。きょう、ケータイで雑誌の写真をとっていた人が本屋さんにおこられてたよ」 「それはいま、はやりの『デジタル万引き』だな。そりゃ、よくないさ。雑誌は売りものなんだから」 「でも、メモがわりだからいいでしょうって、やった人はいってたよ」 「そうかメモぐらいならいいのかな。うーん、わからん」 ずいぶん、たよりないお父さんです。 |
文章や音楽、絵は著作権で守られている
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「雑誌をケータイで撮影するのは悪いことなの?」 |
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その前に、雑誌や本の文章やマンガはどのようにできあがっていくかわかるかな。 |
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「それは、雑誌の人やマンガ家がつくるんでしょう」 |
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そうじゃ。だれかが苦労して、あせを流してつくっているんじゃよ。それをなにもいわずに勝手にもちだして、自分で楽しんだり、人にくばったりしたらどうかな。 |
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「おこるよね」 |
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だから、文章や絵、音楽などの作品は、著作権という法律上の権利で守られており、勝手にコピーしたり、撮影したりしてはいかんのじゃよ。さとし君も学校で書いた作文や絵をだれかが勝手に見たり、回覧されたりしたらいやじゃろ。 |
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「こまるよ」 |
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じつはさとし君の作文も著作権で守られている。著作権は専門家だけのものではないんじゃ。ほかの人に守ってもらうにはまず、自分も守らないとな。 |
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「へぇー、そうなの。するとぼくの描いた絵も勝手に撮影できないんだね」 |
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利用者自身や家族といったごく限られた人で見るだけなら大目に見られているんじゃが、ふつうはカメラやコピー機でコピーするときは、著作権を持っている人から許可をとらないといけない。 |
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「それじゃ、雑誌の写真をとるときも、雑誌の人や書いた人にことわらないといけないんだね」 |
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その通りじゃよ。でも、もっと大切なことは、雑誌がたくさんの人の力やおカネをかけてつくられているから値段がついているということじゃ。だから、さとし君もおカネを払ってマンガを買うじゃろ。ほしければ、ちゃんとおカネを払って買うのが当たり前なんじゃ。 |
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「メモをするのもいけないことかな」 |
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ひそかにメモすることも本当はよくないことだよ。だけど写真の場合はページをまるごとコピーできるから、著作権を持っている人がもっとこまってしまうんじゃ。つくった人に迷惑をかけないようにケータイを使うのがマナーじゃろうね。 |
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新聞掲載:2003年8月27日
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