おとなもいっしょに考える
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最終回 |
さとしくん
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ゆかさん
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しんごくん
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ドクター・
クラッカー |
サイバー博士
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この連載の主人公
小学4年生 |
近くに住む
高校2年生 |
さとし君のおさななじみ
小学4年生 |
サイバー博士の宿敵
暗闇の支配者 |
サイバーランドから
やってくる謎の博士 |
デジタル空間を楽しく生きるための
ルールとふるまい方を学ぼう |
長らくみなさんに読んでいただいたケータイ質問箱も今回で最終回です。ケータイの仕組みや使い方について少しはわかりましたか。これからもお父さん、お母さん、先生たちとケータイについて話し合ってくださいね。 |
考える力でクラッカーをやっつけろ |
さとし君の
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きょうはさとし君の誕生日です。みきちゃんやおとなりのゆかさん、まいちゃん、しんご君となかよしがせいぞろい。 「さとし君も十歳ね」とゆかさん。 「そのわりに子どもだな」としんご君。 「きょうはおこらないもん」とさとし君もニコニコです。 みんなで楽しくトランプをはじめたときです。どこからともなく黒いけむりが立ちのぼって、人の姿になりました。 「あっ、ドクター・クラッカー!!なぜ出てきたんだ!?」とさとし君。 「あれ、きょうはおこらないんだろう。誕生日をいわってやろうとおもってさ」 |
クラッカー
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「いったいだれなの」と、ゆかさんやまいちゃんもふるえています。 「こいつはね、ドクター・クラッカーといって、ケータイで悪いことばかりするやつなんだ」 「悪いやつはひどいな。きょうはみんなにプレゼントを持ってきたのに。ほら、まいちゃん。こんなきらきら光るケータイは見たことないだろう。あげるよ」 「いらない!!」とまいちゃん。 「しんご君、このケータイは何曲でも着メロがきけるよ」 「ぼくもいらない。お母さんと話して、中学生になるまで持つのはやめたんだ」としんご君。 「どうした、みんな。タダであげるというのに。ほら、みきちゃん、ゆかちゃん、このケータイはテレビ電話みたいだろう。さあ」 「いらないわ。ほしかったら、家の人と相談するもの」 「さとし君もほしかったんだろう。最新のケータイだよ」 「だれもおまえのいうことはきかないよ」とさとし君。 「どうしたんだ!! あっ、あっ、いかん。くそ。地球ともおさらばか」といったとたん、ドクター・クラッカーはパッと消えてしまいました。 |
サイバー博士とドクター・クラッカーは表と裏
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クラッカーもついにやられてしまったのう。ハッハッハ。 | |
「あ、博士。なんですぐに出てきてくれないのさ」 | |
さとし君たちなら、もうだまされることはないと思っての。かげから見ていたんじゃよ。 | |
「今度はだれ?」 | |
「ふたりは知らなかったんだね。サイバー博士といって、サイバーランドの王様なんだ」 | |
「えっ、おうさま?」 | |
サイバーランドの暗闇であるブラックサイバー帝国の支配者がクラッカーなんじゃよ。地球の子どもたちを支配しようとたくらんだのじゃが、まんまと失敗したの。君たちが自分で考える力、つまりサイバーリテラシーを身につけたので、はじきとばされてしまった。いまごろは自分の国でいかりくるっておるじゃろうよ。 | |
「ジジイめ、おまえも同じ運命だろうが」 | |
「声だけきこえたよ。同じ運命って?」 | |
うむ。まだ、そこらへんに意識がのこっているらしいの。 | |
「博士。サイバーリテラシーってなんなの」 | |
わしの国ではもうだいぶ進んでおるが、これから地球でもケータイやインターネットをだれもが使うようになって、友だちとも会わずにお話ししたり、メールをしたりすることが多くなるじゃろう。そういうネットの世界をサイバースペースというんじゃが、その中でどうやって人とつきあうか、ルールやふるまい方もちゃんと考えなければならんの。それがサイバーリテラシーじゃ。 | |
「ケータイの中でも友だちは友だちっていうことだよね。」 | |
そのとおりじゃ。サイバースペースでも人と人のつながりは同じなのじゃ。 | |
「あれ、博士。なんだか体が透明になってきたよ」 | |
おお、そろそろ時間かの。実はわしとドクター・クラッカーは表と裏みたいなもので、あいつが消えるとわしも地球にはおれなくなるんじゃよ。 | |
「えー、ちょっと待ってよ。まだ、いろいろと聞きたいことがあるよ」 | |
さとし君ならだいじょうぶじゃ。もう自分で考える力がある。さらばじゃ。みんな、元気でな。 | |
「はかせー。博士も元気でね。ケータイで電話するよ」 |
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新聞掲載:2004年3月24日
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