おとなもいっしょに考える
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先生編 |
さとしくん
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しんごくん
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まいちゃん
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先生
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サイバー博士
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この連載の主人公
小学4年生 |
さとし君のおさななじみ
小学4年生 |
さとし君の
クラスメート |
さとし君の
クラスの先生 |
サイバーランドから
やってくる謎の博士 |
ケータイについて教えるべきか
先生たちもとまどっている |
小学校にケータイを持っていく子どもたちもいま、わずかですがいるようです。でも、それはいいことでしょうか。今回は先生の立場に立って、ケータイを持つことについて考えてみましょう。 |
みんなで手をつないで |
しんご君が
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授業が終わると、しんご君がさとし君のところへうれしそうにやってきました。手にはケータイが見えます。 「さとし、これ見てよ」 「あ、ケータイだね。新しいの買ったんだ」 「へへ。また買ってもらっちゃった」 「だけど、学校にケータイ持ってきていいの」 「だいじょうぶさ」 「先生に見つかったらおこられるよ」 「あ、ケータイだ!」 しんご君のまわりにはクラスメートも集まってきて、大さわぎです。 |
先生に
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授業がはじまるチャイムがなっても、さとし君たちはしんご君のケータイで遊んでいます。 「ほら、席について」と先生がやってきました。 「やばい、先生だ。ケータイかくして!」 「こら、いま何かかくしただろう。出しなさい」 しんご君のケータイが先生に見つかってしまいました。 「学校には勉強に関係ないものは持ってきてはいけないはずだろう。なんでケータイなんか持ってきたんだい」 しんご君もみんなもシーンとして何もいえません。 「先生は、みんなのような小学生がケータイを持つ必要はないと思う。それにこの小学校はみんなの家から近いのだから、ケータイは持ってこない約束だったろう。とりあえず、これは先生があずかっておいて、かえるときに返すからな」 「えっ、そんなぁ…。だって、お母さんが持っていけっていったんだよ」としんご君は小さな声でいいました。 「そうか。お母さんやお父さんにも話さなきゃならんな。そもそも、ケータイについては学校で教えることではないと思うんだがなぁ…」 しんご君はいまにも泣きそうです。 |
学校と家庭がいっしょになって考えることが必要
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「やっぱり先生におこられちゃったよ」 | |
小学校はみんなで勉強をする場所だからの。もし、授業中に電話がかかってきたり、メールがとどいたら、勉強ができなくなってしまうじゃろ。しんご君もみんなにケータイを見せびらかすことなどをしてはいけなかったの。 | |
「でも、ケータイを取り上げなくてもいいのになぁ」 | |
さとし君の学校にはケータイを持ってきてはいけないという決まりごとがあったのだから、仕方がないの。 | |
「先生もお父さんみたいにケータイは必要ないっていってたね」 | |
そうじゃね。先生もみんなのことを心配しているんじゃ。ケータイで悪い人に呼び出されはしないか、変なメールがこないだろうかってね。やはり先生からすれば、よけいなものを学校に持ってきてほしくないじゃろうね。しかし、さとし君の先生にも、ちょっと考えてほしいことがあるのう。 | |
「どういうこと?」 | |
さっき先生は「ケータイは学校で教えることではない」といったじゃろう?たしかに、さとし君がケータイを持つかどうかは家庭で決めることだね。でも、さとし君のお父さんやお母さんでさえケータイについて、いろいろな考えを持っていたじゃろ。 | |
「お父さんはダメっていっていたけど、お母さんはそうでもなかった」 | |
そうだったね。友だちのお父さんやお母さんたちも、また別な考えを持っているわけじゃ。もちろん先生たちにもいろいろな考えがある。だから、先生も学校で教える必要はないというのではなくて、親御さんや、そしてさとし君たちといっしょに小学生がケータイを持つことをいろいろと話してみることがだいじじゃ。 サイバーランドでは、小学校から「サイバーリテラシー」の授業があってのう、みんなでコンピュータやケータイをどういうふうに使ったらよいのか話しあっておるのじゃ。 |
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「そうか。サイバーリテラシーのこと先生にいってみるよ」 |
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新聞掲載:2004年3月10日
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