さとしくん
|
みきちゃん
|
お父さん
|
お母さん
|
サイバー博士
|
この連載の主人公
小学4年生 |
さとし君のお姉さん
中学1年生 |
さとし君の
お父さん |
さとし君の
お母さん |
サイバーランドから
やってくる謎の博士 |
「プリペイド式ケータイって
いったいなんですか?」 |
「プリペイド」という言葉を聞いたことがありますか?電車や高速道路のカードとして使われていますが、ケータイにもプリペイド式があります。さて、プリペイド式ケータイっていったいどんなものなのでしょう。 |
手軽でも油断しちゃダメ |
懸賞で
|
さとし君はまいちゃんの家に遊びに来ています。 「へえ、女の子のマンガかあ。ちょっとみせてね」 パラパラと雑誌をめくるさとし君。 「色とりどりできれいだなあ……。あれっ、ここにケータイがのってるよ」 「ああ、それは今月の懸賞よ。当たればもらえるの」 「え、ホント?ぼく応募する!」 「お父さんかお母さんに相談しましょうって書いてあるわよ」 「頼んでみるよ。だって、ただでもらえるんでしょ。チャンス、チャンス。まいちゃん、この本かして。お願いだよ」 「まあ、私はケータイ持ってるし……いいわよ」 「ありがとう。じゃあね」 |
プリペイド
|
さとし君は、ウキウキした足どりで家に帰りました。 「ただいま!みきねぇ、ぼくケータイをゲットできるかも」 「いったいどうしたの?」 「ほら、みて」 「なんだ。でも、当たるのはたった十人よ。それに、これプリペイド式ケータイだし」 「ぷり……、なにそれ?」 「そんなことも知らないの。前ばらい式の電話で、先にはらっておいた金額分しか使えないのよ」 「へえ。だったら余計に心配がなくていいじゃないか。それならお父さんもいいっていうよ」 「さあ、どうかしらね。帰ったら聞いてみるのね」 夕食のとき、さとし君はお父さんとお母さんに懸賞のことをたのみました。 「プリペイドだから、お父さんが決めた金額しか使わないよ。だから、いいでしょう?」 「懸賞だろうと、お父さんは小学生がケータイを持つことは反対だな。お父さんはお金のことだけを心配してるんじゃないんだよ。ゆっくり考えてごらん」 |
しくみや特徴は違ってもマナーとルールは同じ
|
「プリペイドなんてはじめて聞いたよ」 | |
プリペイドは「前もってはらってある」という意味じゃよ。決まった金額をまとめて先にしはらい、使った分だけへっていくしくみのことをいうんじゃ。ケータイだけじゃなく、電車や高速道路のしはらいなどにも使われておる。 | |
「カードを買うのよね」 | |
日本でプリペイド式ケータイが使われるようになったのは一九九八年のことじゃ。基本料金がかからないし、使いすぎで電話料金にビックリ、ということもないから、使い方によってはとても便利なものじゃよ。 | |
「基本料金って、毎月、ケータイの電話会社にはらうおカネだね」 | |
その通り。この前も話したの。プリペイド式ケータイにはその基本料金がないわけじゃ。かわりに通話料は少し割高じゃがな。 だから、たまにしかケータイを使わない人や一時的に必要な人には都合がいいんじゃ。たとえば、出張や旅行、海外からきたお客さんとの連絡用などじゃな。 |
|
「私の友だちは塾に行くときだけプリペイド式ケータイを持つんだって」 | |
「だから、ぼくもほしいな」 | |
プリペイド式ケータイやカードはコンビニでも買える手軽なものじゃ。だが、そのために問題もおきたんじゃよ。電話会社と契約をするわけではないので、持ち主がわからない。それを利用して悪いことに使う人もいたんじゃ。 子どものゆうかい事件に使われたこともあったんじゃよ。それで、二〇〇〇年に携帯電話会社が相談して、プリペイド式ケータイを買うときには必ず身元の確認をすることを決めたくらいなんじゃ。 |
|
「ぼくは悪いことになんか使わないよ」 | |
もちろん、わかっとるよ。だが、プリペイドといっても普通のケータイと同じようにマナーもルールもちゃんと身につけておかなければならん。お父さんがいうのはそういう意味じゃ。タダで手にはいるからといって懸賞に応募するのではなくて、きちんとお父さんやお母さんと話し合ったほうがよさそうじゃな。でないと……。 | |
「ドクター・クラッカーにやられる!」 | |
ハハ、わかっているようじゃな。 |
|
新聞掲載:2004年1月28日
|