さとしくん
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みきちゃん
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お父さん
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お母さん
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サイバー博士
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この連載の主人公
小学4年生 |
さとし君のお姉さん
中学1年生 |
さとし君の
お父さん |
さとし君の
お母さん |
サイバーランドから
やってくる謎の博士 |
「一円のケータイなら
買ってもいいですか?」 |
町の電気屋さんなどで、ケータイがたった一円で売られているのを皆さんもみたことがあると思います。一円ならおこづかいでじゅうぶん買える安い値段ですが、ケータイにかかる料金はそれだけではないんですよ。 |
全部でいくらかかるかな |
ケータイは
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家族で電気屋さんに出かけたさとし君。年の初めともあって、いろいろなものがとても安く売られています。 「どのゲームを買おうかなぁ」と、お年玉をもらったさとし君は楽しみでしかたありません。 「さとし、どれにするの?」 「うーん、ちょっとまってよ」 「もう。お母さんたちはちょっとあっちでみたいものがあるんだから、早くしてよ、さとし」 「いつもまようんだから」とみきちゃん。 「みきねぇ!これみて!」と、遠くでさとし君が大きな声でよんでいます。 「なによ、さとし。ちょっとしずかにしなさいよ」 「ケータイを一円で売ってるよ。安いお菓子だって一円じゃ買えないのに」 |
一円でも
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「ほんとだ。でも、わたしとしては使えないわね」 「えー、なんで?」 「だって、カメラがついてないし、形もかわいくないもの」 「でも、一円ならゲームを買ったおつりでもだいじょうぶだよ。ほしいなぁ」 「じゃあ、お母さんに聞いてみれば?」 電気屋さんの帰り道、さとし君はすこし期待しながら、お母さんに聞いてみました。 「さっき、ケータイが一円で売っていたから、あまったお年玉で買ってもいい?」 「なにいってんの、さとし。ゲームはいいけど、ケータイはダメよ。あなたはまだ小学生なのよ」 「お母さんのいうとおりだ。それにいくら一円といっても毎月、通信料金がいくらかかるのか知ってるのかい」とお父さん。 「それもお年玉で……」 「さとし!いいかげんになさい」 「わ、わかったよ」 ついにお母さんの雷が落ちてしまいました。 |
料金のしくみもちゃんとおぼえておこう
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「あんなにおこらなくても。たった一円なんだから」 | |
さとし君、たしかに一円をはらえばケータイを持つことはできるけれど、それだけでは話すこともメールもできないんじゃよ。 | |
「お話しやメールをするには、そのためのお金をはらわないといけないんだね」 |
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そうじゃ。でも、それだけじゃないぞ。まず、ケータイの機械を買うね。次に、買ったケータイを使うために、電話会社とケータイを使いますよという約束をする。これにもお金がかかる。 さらに、ずっと使おうと思えば毎月なん千円もはらわなければならない。使わなくたってお金がかかるんじゃぞ。 |
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「えー、使ってないのにお金をとるなんてひどいや」 | |
それを基本料金といって、家の電話もケータイも決まった料金を毎月電話会社にはらうことになっているんじゃよ。その上、ケータイやメールを使ったり、着メロやゲームをダウンロードすればさらにおカネがかかる。 ケータイを持つということはとても大変なことなんじゃよ。だから、お父さんもお母さんもさとし君がケータイを持つのはまだ早いといっているんじゃよ。ところで、さとし君のおこづかいはいくらじゃね? |
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「三〇〇円だけ」 | |
そうじゃろう。それでは基本料金もはらえんの。たとえ、お年玉があったとしてもすぐになくなってしまうし、ケータイにだけお金を使ってほかになにも買わずにいられるかな? | |
「ゲームもほしいし、漫画も読みたいよ」 | |
大人だってケータイの料金をはらうことはたいへんなことなんじゃよ。さとし君のような小学生がケータイを持つには、お父さんやお母さんにお金をはらってもらうしかない。お友だちにケータイを持っている人もいるかもしれないけれど、ちゃんとした理由があったり約束ごとがあるはずじゃ。さとし君、機械が一円で売っているからといって、それがケータイの全部じゃないんじゃよ。 |
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新聞掲載:2004年1月14日
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