さとしくん
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お父さん
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お母さん
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あきら君
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サイバー博士
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この連載の主人公
小学4年生 |
さとし君の
お父さん |
さとし君の
お母さん |
お隣に住む
大学3年生 |
サイバーランドから
やってくる謎の博士 |
自転車に乗っているとき
電話するのはあぶないよ |
ケータイはどこでも話せるから便利だといっても、自転車に乗っているときや歩いているときにケータイを使うのはやめたほうがいいね。ときには命にかかわる危険なこともあるんだよ。 |
道路でのケータイは危険だらけ |
自転車が
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放課後、さとし君は友だちの家に遊びに行きました。その帰り道、通りに人が集まっています。おまわりさんや救急車も来ています。 「交通事故かな」 集まって見ている人の中に大学生のあきら君がいました。 「なにかあったの?」 「自転車に乗った高校生がおばあさんにぶつかっちゃったんだよ。下り坂でスピードが出てたし、ケータイをしながら乗っていたらしい」 「え、電話をしながら!?運転に自信があるんだなあ」 「感心してる場合じゃないよ。さとし君も気をつけて帰るんだよ」 |
ケータイの
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ケータイしながらの自転車ってこわいなあと思いながら家に向かうさとし君を、自転車に乗ったあきら君が「じゃあね」と追いこして行きました。 すると、しばらく行ったところで今度はあきら君が自転車に乗ったままひっくり返っていました。ビックリしたさとし君がかけよると、 「いやあ、ポケットに入れていたケータイが急になりだしてさ。あわてて出そうとしたらコケちゃったよ」 「いやだなあ、あきらにいさんこそ気をつけてよ」 さとし君は家に帰って家族にも事故の話をしました。数日後、夕食のときにお父さんが教えてくれました。 「この前、自転車にぶつけられたおばあさんは、頭にけがをして二週間くらい入院するそうだよ」 「お気のどくね。あきらさんみたいに電話がなるだけで転ぶくらいだから、話しながらかた手で運転なんてとんでもないわ。自転車は自動車と同じ。安全第一よ」 「お母さんも、かさをさしたまま自転車に乗るの、やめたほうがいいよ」 「そ、そうね。気をつけるわ」 |
自動車と自転車の運転中や歩行中もケータイ禁止
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お母さんがいった「自転車は自動車と同じ」の意味がわかるかな? | |
「どっちも車って字がつく!」 | |
ハッハッハ、そうじゃな。道路交通法という法律では、自転車も軽車両といって車のなかまとされているんだ。 | |
「運転免許を持っている人の法律でしょ?ぼくはまだ関係ないや」 | |
そうじゃないぞ。歩いている人、自転車の人、道路を使う人みんなに関係がある。 おとなも子どもも安心して道路を使うために、きちんとルールは守らなければいかんよ。道路交通法には、車を運転する人は「安全運転」をしなければならないとあるんだよ。 |
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「お母さんのいうとおりだ」 | |
かた手運転だとほとんどの人が右手でハンドルを持つので、ブレーキも右だけになる。 右ブレーキは前の車輪を止めるから、ブレーキをかけると前につんのめりやすい。人にぶつからなくても、ころんで自分がけがをしやすいんじゃよ。 |
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「ふーん」 | |
それに、電話をしているとまわりの音も聞こえないし、あたりに注意がいかなくなる。危ないことがいっぱいだから、特別な場合をのぞいて自動車を運転しながらケータイを使ってはいけないという決まりが、四年前に道路交通法に追加されたくらいなんじゃよ。じつは、ケータイが関係する自動車事故では着信するときが一番多いんじゃ。 | |
「あきらにいさんもそうだったね」 | |
だから、自動車も自転車も、運転するときは電車の中と同じようにマナーモードにしておいて、あわてずにあとでかけなおすことがだいじじゃな。 | |
「いそぐときは、自転車をおりてかけなおせばいいんだしね」 | |
自転車を押しながらもダメじゃよ。歩いているときの事故もある。ケータイで話しながらホームのはしを歩いていて、電車にぶつかって大けがをした高校生や、電話をしながら踏切に入って、電車にひかれて死んでしまった人もいるんじゃ。ともかくケータイは安全な場所に止まってかけることじゃな。 | |
「ケータイだけじゃなく、人間もマナーモードにならなくちゃね」 | |
ハハ、そのとおりじゃ。 |
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新聞掲載:2003年11月26日
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