さとしくん
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まいちゃん
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みきちゃん
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お母さん
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サイバー博士
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この連載の主人公
小学4年生 |
さとし君の
クラスメート |
さとし君のお姉さん
中学1年生 |
さとし君の
お母さん |
サイバーランドから
やってくる謎の博士 |
会ったこともないメル友からの
アルバイトの誘いはあぶない!! |
電子メールをやりとりする「メル友」はいろいろなことを話せるいい友だちにもなりますが、相手のことをよく知らないままつきあっていると危険な事件にまきこまれることもあります。とくにアルバイトの誘いはあぶないですよ。 |
メル友の誘いには危険がいっぱい |
メル友から
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きょうは日曜日。さとし君は友だちと思いっきりサッカーができるので、日曜日がやってくるのがいつも楽しみです。 お姉さんのみきちゃんも朝からルンルン気分。 「どうしたの、みきねぇ。ずいぶんきれいな服を着て」 「さとしにはナイショ。ヘヘヘヘ」 「ああ、そう。お母さーん!!みきねぇがねー!!」 「ダメダメ!静かにして、お母さんにもナイショなのよ」 「じゃあ教えてよ」 「しかたないわね。アルバイトよ。メル友から誘われて、簡単なアルバイトがあるんですって」 「どんな?」 「知らないわよ。でも、二、三時間で終わるそうだから、簡単なもんよ。あっ、待ち合わせのメールが来たわ」 |
ことわりなく
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「じゃあね、さとし。帰りにケーキを買ってくるから、お母さんにはなにもいわないのよ」 「いかんよ!!行ってはいかん!!」 サイバー博士が突然、こわい顔をしてあらわれました。 「どうしたの?サイバー博士」 「みきちゃんはそのメル友を知っているのかね」 「会ったことはないけど、もうずっとメル友なの。きっと、いい人よ」 「前もいったじゃろ。はじめてメル友と会うときはお母さんといっしょにいかなければダメじゃ」 「だってアルバイトっていうと、お母さんはおこるもの」 「バカモン!!あたりまえじゃ。こどもがかってにアルバイトなどしてはいかん」 「きょうのサイバー博士はすごい迫力だね」 「いいかい、みきちゃん、さとし君。これは君たちの命にもかかわることだから、ワシはおこっているんじゃよ。メル友に誘われてアルバイトをすることがいかに危険なことか」 |
暗闇を支配するあいつがやってきた!?
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「そんなに危険なことなの」 | |
この前、東京の渋谷で小学校六年生の子どもたちがあぶない事件にまきこまれたのを知っているじゃろ。運よく助かったが、ひょっとしたら殺されていたかもしれん。犯人は友だちを通じて「簡単なアルバイトがある」とだまして誘ったのじゃよ。だいたい小学生がアルバイトをするということじたいがまちがっとる。みきちゃんのメル友が悪い人かどうかわからん。だが、お母さんやお父さんにことわりもなく、アルバイトをすることは悪いし、危険なことなんじゃよ。 | |
「でも、友だちもメル友に誘われてアルバイトをやっているけど、あぶないことなんかないっていってたわ」 | |
もう一度いうよ。親のことわりもなくアルバイトをしてはいけない。もし、待ち合わせの場所に友だちではなく、悪い大人がいたらどうするね。実際、高校一年の女の子が乱暴された事件もおきてるんじゃ。 | |
「そうだよ。メル友と一人で会うのはあぶないよ」 | |
最近、ケータイを使って子どもたちをまきこむ事件がふえているじゃろ。ワシは心配なんじゃ。ひょっとして「あいつ」が地球にもやってきたんじゃないかと思ってな。 | |
「だれ?あいつって」 | |
ワシの国の暗闇を支配しておるとんでもないやつなんじゃよ。 | |
「へぇ、博士はケータイやインターネットの中に住んでいるんじゃなかったの」 | |
ワシの国とネットのサイバー空間は自由に行ったり来たりできるんじゃが、それはさておき、メル友は親切だと思っても、急に悪い人に変わることがあるんじゃよ。きのうまではいい人だったのに、なにかをきっかけにして正体をあらわし、おカネをおどしとったりするし、いやがらせをすることもあるんじゃ。 | |
「博士、わかったわ。アルバイトはことわるし、会うときにはお母さんといっしょに行くわ」 |
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新聞掲載:2003年9月10日
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