さとしくん
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まいちゃん
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まいちゃんの
お母さん |
しんごくん
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サイバー博士
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この連載の主人公
小学4年生 |
さとし君の
クラスメート |
まいちゃんの
お母さん |
さとし君のおさななじみ
小学4年生 |
サイバーランドから
やってくる謎の博士 |
「自分のいまいる場所が
わかってしまうのはなぜですか」 |
ケータイからは基地局にむかって電波が出ていることはいぜんお話ししました。このしくみをつかえば、いま自分がどこにいるのか知ることができます。これを「位置情報サービス」といいます。どうしてそんなことができるのでしょう? |
衛星と基地局の両面作戦 |
暗くなったら
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さとし君はともだちのしんごくんの家で遊んでいましたが、暗くなってきたのでそろそろ帰ることにしました。 「あっ、もうこんな時間だ。ちょっと電話かりてもいい? お母さんにれんらくしておかないと、またおこられちゃう」 「さとしはまだケータイもってなかったっけ?」 「うん。でもケータイって、迷惑メールとかけっこうこわいんだよ。知ってた?博士もいっていたけど」 「博士???」 「あー、なんでもない。また明日ね。おじゃましました」 あわてて家をとび出すと、まいちゃんがむこうからやってきました。 「あっ、まいちゃんだ。塾のかえりかな?」 |
まいちゃんの
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「あれ、さとし君。こんなところでどうしたの?」 「ともだちの家で遊んでたんだ。まいちゃんは塾の帰りなの?」 「うん。ほんとはお母さんがむかえに来るはずなんだけど、電話しても出ないから自分で帰ってきちゃった」 「でも、まいちゃんのお母さん心配してるかもね」 「じゃあさとし君、とちゅうまでいっしょに帰ろうよ」 さとし君はすこしきんちょうしながら、まいちゃんといっしょに帰ることにしました。 しばらくすると、まいちゃんのお母さんがとつぜんやってきました。 「あら、さとし君、こんばんは。まい、ここにいたのね。れんらくがないからお母さん、心配してきちゃったわ」 「お母さん、よくここがわかったわね」 「GPSで、位置をかくにんしたのよ」 「まいちゃん、GPSってなに?」 「ケータイでいまいる場所がわかるのよ」 「えー、ケータイでそんなことができるの!?」 |
衛星が宇宙からみんなの位置をみはっている
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ケータイで自分の場所がわかるのにはおどろいたようじゃの。 | |
「うん。ケータイについてだんだんわかってきたつもりだったけれど、おどろいたなぁ。いったいどうなっているの?」 | |
まいちゃんの家では、位置情報サービスをつかっているんじゃよ。このまえ話したように、ケータイは基地局に電波をいつも出していて、「わたしはいまここにいますよ」と基地局にしらせているのじゃ。このしくみを利用すれば、ケータイをもっている人がいまどこにいるかをだいたい知ることができるんじゃ。 | |
「でも、よくまいちゃんのいる場所がちゃんとわかったね。博士はさっきだいたいっていっていたじゃない?」 | |
まいちゃんのお母さんがGPSという言葉をつかっていたのはおぼえているじゃろ。そこにひみつがあるのじゃ。基地局だけでは町のこのあたりにいるくらいしかわからんのじゃが、宇宙を飛んでいる衛星からだと、ケータイがどこにいるかをもっとせいかくに知ることができるんじゃ。だから有料のGPSサービスをつかうと、基地局とGPSの両方でさとし君たちのいる場所がわかるんじゃね。 | |
「わー、宇宙からなんてすごいね! でも、いつも衛星からみられているみたいでいやだなぁ」 | |
そのとおりじゃね。いつもだれかにみられているというのは気持ちのよくないものじゃ。でも、しられたくないとおもったら、ケータイでそのように設定すればいいのじゃ。でも、こどもがやたらとそんなことをしてはいかんぞ。 | |
「うん。でも、しくみはわかったけれど、どんなふうにつかわれているのかよくわからないや」 | |
たとえば、ちほう症のお年よりや、さとし君たち小学生にGPSがついたケータイをもたせれば、ゆくえ不明や迷子になっても安心じゃ。ケータイのもちぬしが、いまどこにいるか、お母さんたちはパソコンでわかるし、行きたいところへどういったらいいかおしえてくれるか、メールで自分のいる場所を伝えることもできるぞ。じゃが、こうしたサービスをつかわなくてすむように、暗くなったら家に電話したり、ひとりで帰ったりしないことが大切じゃね。 | |
「そうだね。みきねぇにもおしえてあげようっと」 |
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(M)
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新聞掲載:2003年7月23日
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