さとしくん
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みきちゃん
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お母さん
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おばあちゃん
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サイバー博士
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この連載の主人公
小学4年生 |
さとし君のお姉さん
中学1年生 |
さとし君の
お母さん |
さとし君の
おばあさん |
サイバーランドから
やってくる謎の博士 |
「おばあさんの病室で電話したら
看護士さんに怒られたけど、なぜ?」 |
ケータイはいつでもどこでも電話をかけることができます。それはとても便利ですが、ケータイからは目に見えない電磁波が出ていて、自分の気づかないところで周囲の人に迷惑をかけていることがあるのを知っていましたか? |
電磁波のいたずら? |
ケータイがあれば
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入院しているおばあさんをおみまいにいくことになったみきちゃんとさとし君。お母さんはふたりがぶじに病院までたどりつけるかどうか心配です。 「みき、さとし。ほんとうにだいじょうぶ?」 「もし道にまよっても、みきねぇのケータイがあるし」 「そうそう。ケータイがあるからへいきよ」と、みきちゃんも、とくい顔です。 「じゃあ、なにかあったらすぐにお母さんに電話すること。いいわね?」 「はーい」 |
いつでも
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電車に乗って、なんとか病院にたどりついたふたりはロビーですこしやすみました。 「病院ってさわがしいね。ほら、看護士さんまでケータイで話しているよ」とさとし君。 「おばあちゃんの部屋ってどこだっけ?聞いてくるのをわすれちゃった」 「お母さんにケータイで聞いてみよう」 みきちゃんはさっそくお母さんに電話しました。 「あ!お母さん?みきだけど」 さとしくんは、となりにすわっているおじさんがみきちゃんをにらんでいるのに気がつきました。 「三二六号室だって」 「さっきとなりのおじさんが、みきねぇをすごい顔でにらんでたよ」 「なんでかしら。ちょっと声が大きかったからうるさかったのかも」 「おばあちゃん、おみまいに来たよ!」 「あらまぁ、よく来たね。ふたりだけ?」 「そうだよ。ケータイがあるからだいじょうぶ」 とつぜん、みきちゃんのケータイが大きな音を出してなりだしました。 「あ、メールだ。だれからかな?」 「こら!あなたたち、病院でケータイを使っちゃダメでしょ!」 看護士さんが飛んできて、みきちゃんはとても怒られてしまいました。 なぜ、みきちゃんは看護士さんに怒られたのでしょう。 |
ケータイからは電磁波がいつも出ている
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病院でケータイを使ってはいけないことは知らなかったかな。 | |
「知らなかったわ。いつでもどこでも使えるのがケータイだと思っていたんだけど」 | |
ケータイから電波が出ていることは覚えているかな。 | |
「覚えているよ。電波のリレーだよね」 | |
そう。その電波がさっき怒られた原因なんじゃ。電波は電磁波の一種(コラムにせつめいがあるよ)で、病院でケータイを使うと、その電磁波がまわりにある機械に悪い影響をあたえてしまうんじゃ。それが原因で、患者さんがたいへんなことになってしまうことも考えられる。 | |
「だからさっき怒られたのね。でも、看護士さんもケータイを使っていたのはなぜかしら」 | |
あれは、ケータイはケータイでもPHSじゃよ。みきちゃんが使っているのは携帯電話だが、PHSは携帯電話よりも電磁波を出す力が弱いから他の機械への影響はまずないと考えられているんじゃ。 | |
「じゃあ、PHSなら病院でも使っていいんだね」 | |
いかん、いかん。お医者さんや看護士さんはとても忙しいから、もしもの時にそなえてPHSを使っているんじゃよ。だから、「医療用のPHS」とわかるように印をつけているし、手術室などでは電源を切ることになっておる。病院の関係者以外はPHSも携帯電話も使ってはいけないし、電源をきちんと切って、電磁波を出さないようにしないといけないんじゃ。 | |
「いつでもどこでも使っていいというわけじゃないのね。そういえば、来るときに電車の中でもそんなことを聞いたけど、同じこと?」 | |
その通りじゃ。医療用の機械を使っている人は、いつどこにいるかわからないから、ケータイを使うときにはまわりにそうした人がいないかどうか確認するんじゃよ。
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(Y)
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新聞掲載:2003年6月11日
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