さとしくん
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みきちゃん
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ゆかさん
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お母さん
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サイバー博士
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この連載の主人公
小学4年生 |
さとし君のお姉さん
中学1年生 |
近くに住む
高校2年生 |
さとし君の
お母さん |
サイバーランドから
やってくる謎の博士 |
「ケータイは
どうしてつながるんですか?」 |
電話線でつながっているわけでもないのに、どうしてケータイどうしで話すことができるのでしょう。さとしくんはふしぎでなりません。お姉さんのみきちゃんや、近くに住む高校生のゆかさんに聞くのですが、だれもわからないようです。 |
ケータイのつながるしくみ |
いつでも
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さとしくんのお姉さんのみきちゃんは中学一年生。買ってもらったばかりのケータイがうれしくて、どこにいても手からはなしません。 電話がかかるとみきちゃんのだいすきなミニモニの曲が着メロで流れて、さとしくんはちょっとイヤーな気分です。 「うるさいな!! ナンでいつもケータイしてんだよ」 「いつでもどこでも電話できるからケータイなんでしょ。ホントはうらやましいんでしょう」 「うらやましくなんかないよ。それじゃ、どうして、ケータイはどこでも電話できるのか、みきねぇは知ってるの?」 聞かれたみきちゃんも??? さとしくんは、それまで考えてもいなかったのに、急に気になってきました。 |
なぜケータイの
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さっそくとなりに住む高校二年生のお姉さん、井上ゆかさんに聞いてみることにしました。 「ゆかねえさん、ケータイはどうしてどこでもつながるの?」 「それは電波でつながっているからよ。無線っていうんだけど、ケータイで話すと声が電波になって、あいての人に伝わるのよ」 「電波っていうのはどこにでもとどくの?」 「そうねぇ、地下や建物のおくの方だと電波がとどきにくいわね。ケータイの画面に、棒グラフみたいなのが三本あるの知ってる? 三本あると電波が一番強くて、電波が弱くなると棒グラフがへっていくのよ」 「へぇ〜そうなんだ。でもさ、動いているのにナンでケータイがどこにあるのか、あいての人はわかるのかな?」 「それはケータイにはそれぞれの電話番号があるからよ」 「どうしてその番号のケータイが、いまどこにいるかわかるのかな?」 |
基地局がケータイの場所を知っている
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だいぶ、ゆかさんを困らせてしまったようじゃの。 | |
「だって、電話会社の人がみはっているわけでもないのに、ケータイの場所がすぐわかるのはおかしいよ」 | |
それに答える前に、まずケータイがなぜつながるのか、そのしくみから説明しよう。 じつはケータイとケータイは直接、電波でつながっているわけじゃない。ケータイから電話すると、その電波はまず、近くの基地局のアンテナに飛んでいって、そのあとはケータイ電話会社の交換局を通って、また基地局からあいてのケータイに電波が飛んでいくわけじゃ。 |
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「交換局ってどこにあるの」 | |
日本全国にあって、例えばさとしくんが東京から大阪に電話すると、ものすごいスピードで大阪の交換局まで電波のリレーをしてくれるんじゃよ。 | |
「その交換局の人がケータイの場所を知っているのかな」 | |
交換局といっても、交換機という機械が自動的にリレーしてくれるんだよ。ケータイの場所がわかるのは、ケータイが自分で電波を使って場所を知らせているからなんじゃ。 ケータイが送る信号をキャッチするのがさっき話した基地局。この基地局からサービス制御局というコンピューターに情報が送られて、いつでもケータイの場所がわかるわけじゃよ。 |
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「でも、基地局なんて近くで見たことないよ」 | |
それは気がつかないだけじゃよ。ビルの屋上なんかを見てごらん。にょきっとつきでたアンテナが見えないかい。 | |
「あっ、ホントだ。棒のように立ったアンテナがある」 | |
じゃろ。大都市では数百メートル、地方では数キロメートルごとに基地局がある。歩きながら電話していても切れることがないのは、ほかの基地局のエリアにはいると、ケータイの電波が自動的にそちらのアンテナにリレーされるからなんじゃ。
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「電波っていうのはなんだかリレーばかりで疲れそうだね」 |
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(M)
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新聞掲載:2003年4月23日
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