新サイバー閑話(67)<折々メール閑話>⑰

山本太郎発言集Ⅲ

あなたが政治をコントロールできる

 この国の主役はあなた方ってことですよ。なのに、それをコントロールできる、この国を変えられるってことに気づいていない。あるいは多くの人が放棄しちゃっている。国政選挙で投票率が6割行かないんですね。
 
一方で諦めない人たちがいる。それは、政治を使えば自分たちがもっと儲けられるとわかっている人間、企業側ですよ。組織票と企業献金で自分たちの代理人を議会で多数派にしてしまえば大減税はしてもらえるわ、長時間労働しても問題ないような形にしてもらえるわ、外国人労働者を大量に呼び込める状態までつくってもらえたり、とか。なぜこんなことになっているのか。みんながゆるくつながれば政治のコントロール権を取り戻せるということです。いま自民党に投票している方、全有権者の3割程度、3割でコントロールできるんですよ。4割の諦めた人がゆるくつながれば消費税ゼロなんてできますよ。
 ネットの中で何言っていても無理ですよ。はっきり言って。シェアすることはできる。拡散することはできる。でもそこで止まる。だってネットって自分の興味のある範囲でしか見られないじゃないですか。ネットで配信してくださる方、非常にありがたいんですけども、その時間があるんなら、横に広げる努力をしていただきたい。その方が私たちのためになる、そう、私は思っています。今週に入ってから何人の人にシェアできた? 実際に人に会って横に広げられた? いっしょにやってみたいという了解を何人に取れた? 先週は? 先々週は? 先月は? 今年に入ってからは? ステップバイステップでしかできないんですよ。
 それを自民党はやってますよ、ずっと。公明党もやってます、そういうステップバイステップがなかったら、いきなり変わるなんて無理ですよ、ちゃんと努力してるんですね。企業も組織票とか企業献金するなど頑張って長時間労働でも問題なくなる。残業代、これ自体を概念としても無くすようなこともどんどん決まってきてるじゃないですか、自分たちの支援者のために一生懸命仕事しているんですよ。えらいですねえ。
 だけど、そっちを見てるんじゃなく、こっち見てくれって話なんです。こっち向かせるのは誰の仕事かというと、一人ひとりの仕事でしかないんですよ、いくらネットの中でいろんな展開をしたとしても、それを見てる人は限られていますよ。シェアすることは重要、情報を分け合うこと、拡散することは重要、でもその中だけでしかないんですよ。だとしたらどうなるか、また負けるんです。
 人に会って説得したりしている人たち、その裏には金があったり宗教があったり、いろんなものがありますよ、イデオロギーがあったり‣‣‣。だけど、繋がる理由がある人たちっていうのは、確実にフィールドワークやっていってる。でもそんな暇、なかなかないじゃないですか、毎日忙しくて、ギリギリ生活してて、それで政治の話は勘弁してほしいっていう状況の中で、仲間を広げていくというのは至難の技です。
 至難の技だけどやっていきたいんですよ、やっていった先に政治をコントロールする力を取り戻したいんですよ。ここまで振り切れてるんですよ(2019街頭演説)。

A 街頭演説で山本太郎に強硬に反対して「口先ばかりだ」と罵っていた人が、山本太郎の丁寧な説明に納得したのか、あるいは、どんな反対意見にも真摯に耳を傾け、自説をわかってもらおうと努力する熱意に打たれたのか、最後に「あんたに洗脳されてんのかなあ」などと言いつつ矛先を収めるといったシーンもしばしば見られます。
 政治に対して激しい怒りをぶつけたり、話しているうちに自ら激高して涙を流したり‣‣‣ 街頭演説には山本太郎の裸の姿が映っています。しかも、誰の意見でも聞く。時間を5分に制限しながらも聴衆の質問を受け付け、それに真剣に答えようとしています。もちろん反対意見にも耳を傾けるし、どこかに共通点を求めようと対話の努力をしています。こんな誠実な政治家は当今、ちょっといないんじゃないでしょうか。

B 山本太郎は演説がうまい。彼の発言を文字に起こしていると、しゃべっていることがほぼそのまま原稿の形になるのに驚くほどです。
 古今東西、政治家の演説ではアブラハム・リンカーン、ウィンストン・チャーチル、ジョン・ケネディ、マハトマ・ガンジーなどの名手が思い浮かぶけれど、最近の日本でも田中角栄の田中節は出色だったですね。山本太郎も演説の名手として歴史に記録されるだろうと思いますね。この発言集もその際の貴重な資料になるといいですね。

A 僕はけっこうツイッターをやっていて、何人かの人のフォロアーでもあります。フォローしている方の発言からは教えられることも多いのですが、彼はツイッターはあまりやらないみたいですね。

B インターネットに関しても、まっとうな意見を述べていると思います。ツイッターなどのSNSで安倍批判をすれば何かやった気になるけれど、それは、同じ意見を待っている人には響くけれど、反対する人に届かない。インターネットの仕組みがすでに同意見の仲間の間だけで流布し、反対する人には届かない仕組みになっているからです。もっとも敵をやり込めようと手ぐすね引いている人は、検索してそういう意見を集めることもできます。
 インターネットの分断傾向については、2000年初頭に政治学者のキャス・サンスティーンが「反対意見を必ず表示できるようにしたらどうか」と提案したり(『インターネットは民主主義の敵か』)、2010年初頭にインターネット活動家のイーライ・パリサーが「フィルターバブル」という言葉で、それを批判しています(『閉じこもるインターネット』)。
 最近話題のメタバースに関して、Online塾DOORSで通信業界の先達、唐澤豊さんの話を聞きましたが、そのとき見た動画で、メタバースの専門家でもある若者がこういうことを言っていました。
 「メタバースに希望が持たれているのは『現実世界はクソだな』と思っている人が多いからだと思う。メタバースでは自分で理想の世界をつくり、理想の姿に変身し、誰とでも意見交換できる」と。メタバース的な世界が広がるにつれて、人々は新たな宇宙(『地球2.0』というタイトルの解説書もあった)に没入していく。これまでも書物や漫画、映画、アニメ、そしてゲームでそういう夢幻傾向はあり、それは文学の温床でもあったけれど、これからはより多くの人がメタバースに集団移住していくのではないかという気がしました。このとき現実世界はどう変容するだろうか。それこそ廃墟のようになるかもしれない。現代世界の政治の混乱、若い人たちの政治への無関心とも深いところでリンクしていると思いますね。山本太郎への支持がいま一つ広がらないこととも関係していますね。

  そろそろみんな怒ろうじゃないか、という話なんですよ。20年財政を絞って、結果、何が起こったかというと貧困ですよ。なぜ子どもたちの7人の1人が貧困なんですか。政治が責任取りましたか。だから言ってるんですよ。私に力貸してください。ある所から取る、ないところから取らない、これが税金の基本でしょう? 私が国会で牛歩戦術取っているのは、徹底的に闘うと言って戦わない野党に対する抗議なんですよ。徹底的に闘わない奴をなぜ国民が支持するかっていう話なんですよ(2019街頭演説)

 B 立憲民主党など野党はまことにだらしないけれど、それはアジェンダ(実現すべき計画やプラン)セッティング能力の不足によることが大きい。現在の世界では何が問題なのか、何が隠されているのか、語ることを妨げているものは何か。こういった私たちを覆う厚い雲を晴らすことが大事だけれど、それに対する想像力、あるいは創造力がない。国会質疑は戦術的に個別問題に立ち入らざるを得ない面が多いけれど、それだけだと、ほとんど常套的な答弁によって覆されてしまうわけです。「法と手続きに従って厳粛に対応する」とか、「個別の問題についてはお答えを差し控えさせていただきます」とか。

A もともとジャーナリズムで大事なのはそのアジェンダセッティング機能でもありますね。権力の監視はもちろん。当今のマスメディアではその大事な機能がすっかり失われました。

 消費税10%にしろという労働組合なんてあるかよ、なんのための労働組合だよって話ですよ、連合のこともこれからは言っていきますね。仁義なき戦いが始まってますよ、はっきり言って。喧嘩上等ですよ、それが嫌だったら野党一つになれよってことですよ。消費税5%でまとまって戦わないと、何も変えられないじゃないですか、その圧力をかけるために一人で旗降ってるんですよ。でもいいですよ、ある時期が来てからは徹底的にやりますから。
 なぜ予算委員会が長期にわたって、何カ月も開かれていないか、その理由は何なんだっていう質問を広島で受けました。それに対して私は野党第一党のせいだって言いました。だって与党の自民党と折衝するのは野党第一党なんだから。筆頭間協議でどうしてしっかり突っぱねないのっていう話なんですよ。だから、私は質問に対して立憲民主党のせいですよ、と言ったんです。それに対して、どうして野党を叩くんだって言われるんです。違うよ、立憲民主党の支持者がお尻叩けばいいじゃないかって、何をゆるゆるやってんだって話ですよ、次の参院選でねじれつくるっている気迫がないんやったら、どうして政治やってるんですか?いつになったらやるんですかって。次の選挙はその次の選挙のための地固めなんですって、いい加減にしてくれませんか。何年苦しんだら、その苦しみから解放されるんですか。希望を見せてくれってことですよ。それが見せられるのが政治だろうって。万年野党でいるつもりかって話ですよ(2019街頭演説)

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