新サイバー閑話(65)<折々メール閑話>⑮

山本太郎発言集Ⅰ

「れいわ新選組」を立ち上げました 


 自分で団体を立ち上げました。「れいわ新選組」という名前です。この国で一番偉いの誰? みなさんですよ、生きてていいんですかって、生きててくださいよ。死にたくなるような世の中、やめたいんですよ。生きててよかったと思えるような社会にしようよ。それができるのが政治ですよ。頑張るべきはあなたじゃない、政治なんだって思いません?
 頑張っても頑張っても普通に暮らせないっていう社会状況が25年以上続いているんですよ。お金は作れる、財源はある、その力はこの国にあるんです。この国のオーナーはみなさんなのに、みなさんの望まないことを政治が続けている、その理由は別に飼い主がいるからですよ。企業ですよ。自分たちの税金は減らして他の財源を作らせる、それが消費税増税ですよ。この国に必要なのは、徹底した財政出動です。そのためにみなさんの力を貸していただきたい。個人の命や人生に対して何のリスペクトもない、すべて票、すべて金です。この国を変えるカギを握っているのはみなさんお一人おひとりです。ひっくり返してやりたいんです。そういう思いでマイクを握っています。
 コロナの終わりが見えていないのに、持続化給付金、家賃支援給付金、民間金融機関を通じた無利子無担保融資、受付終了するんですか、支援をやめるんですか。終わりが見えていないのに、こういった救済策を終えるということは、体力ないところはつぶれていけ、という宣言でしかない。無茶苦茶ですよ。個人や企業の努力が足りないから潰れていくという状況ではないんです。
 残念ながらこいう政治を放置してきたのが私なんですよ。政治に対して興味持っていなかった。自分の人生が充実しているかどうかだけがメインテーマだったけれど、原発事故を境に、世の中こんなことになっているのかということに気づいて、それじゃあ何とかしないといけないなと――。私みたいに極端に考え方が変わった人は少ないかもしれないけれど、そこからなんですよ、知っちゃったらやるしかないもん、でも私たちだけではできない、この国のオーナーであるあなた方の力を借りなければ。
 あなたのために私は政治家をやっています、と言わなくてゴメン。自分のためにやってます、何かの拍子に生きづらくなったときに見捨てられない社会、そういう社会、ほしくないですか。家族に見捨てられても、仲間に見捨てられても、世界でたった一人ぼっちになっても、国だけは見捨てないよという存在だったらどんなに心強いか。
 まさに国会はいま、人の命の期限を決めるような議論がいつ始まってもおかしくない状況なんですよ。これ以上国の財政を圧迫させないために、お年寄りの皆さん、そろそろいいんじゃないですか、自分の期限を決めろ、みたいな論議ですね。国会議員やっていて感じました。そのきっかけになったのは麻生太郎さんです。2016年6月、北海道小樽の講演でこいうことをお話になったんです。「90になって老後が心配だとかわけのわからないことを言ってる人がテレビに出ていたけれど、お前いつまで生きてるつもりだと思いながら見ていました」と。居酒屋でおっさんが言ってる話じゃない、「ちょっとお父さん、言いすぎよ」みたいな話じゃないんです。この国の財務大臣であり、副総理である人がこういうことを言う。命の選別がこの先、始まっていくんだろうな、という危機感があったんですね。
 世の中で役に立たなくなった人は社会的な圧力によって死を選ばざるを得ない状況にされていくんじゃないか。「高齢者の方、あなたずいぶん長生きしましたねえ、あなたのために多くの人が力を使って大変ですよ。もうそろそろいいんじゃないですか」みたいな空気を許してしまえば、当然、高齢者が入口だったとしても、障碍者にも広がるし、それ以上にも広がっていきますよ。それが自分に降りかからないようにするには何が必要かというと、自分がどれだけ役に立つ人間か、自分がどれだけ生産性が高いに人間なのかということを世の中に示し続けなければならないような社会がより加速するということですよ。(2019年街頭演説)

B 山本太郎が街頭演説で聴衆に訴えたり、記者会見で語ったり、国会で質問したりした言葉を集めました。素材はいろんな人びとが「切り抜き山本太郎」とか、「れいわ新選組を伝える動画」とか、「涙の街頭演説」とかいうタイトルで、あるいは単独でユーチューブにアップしたものから書き起こしています。一部はツイッターのつぶやきやテレビ番組のインタビューからも採用しました。
 ユーチューブに上げる時にすでに素材の取捨選択が行われており、それを臨機応変に選んで活字にし、いくつかのテーマにわけて編集、若干のコメントを加えたわけですから、編集上の偏りもあるでしょう。しかし、山本太郎が2019年にれいわ新選組を立ち上げてからこれまで、何を訴えてきたかの全貌、とまではいかなくても重要な事柄について知ることができるように工夫しました。
 岸田首相や閣僚、さらには担当官僚のほとんどが誠意の見られない紋切り型の答弁をくりかえし、それに引きずられるように野党もまるで木を見て森を見ないような質問をし続け、またマスメディアも現代の政治状況を鋭利に分析できないといった状況の中で、山本太郎の主張のまっとうさ、大局を見る目、政治に対する情熱、いずれも出色のように思われます。
 本コラム14回でも述べていますが、なぜれいわ新選組および山本太郎への支持が思うように広がらないのか。それは山本太郎が「醜いアヒルの子」としての「白鳥」だからではないでしょうか。山本太郎が来るべき日本社会の白鳥として大きく羽ばたけるように願って収集したこの「貧者の一灯」が、ふだんあまりユーチューブなどを見ない活字世代の方々に、山本太郎のすばらしさを知ってもらえる一助になれば幸いです。もちろんこれは、最初に説明したように、多くのれいわファンの汗と努力の結晶(コラボレーションの成果)でもあります。
 なるべく山本太郎の口吻が反映されるようにしていますが、話し言葉と書き言葉はやはり違います。冗長な部分は削ったり、繰り返しは省いたり、一定の編集処理をしています。同じ街頭演説を別の個所に分けたものもあります。オリジナルな発言の真意は損ねていませんが、そっくり同じ体裁ではないことはご承知ください。
 素材はほとんど2022年の発言から取っていますが、それ以前のものはその旨表記しています。発言の最後に「街頭演説」、「記者会見」、「国会質問」、「テレビ・インタビュー」などと状況を付記しました。

A れいわ新選についてウエブでは以下のように説明しています。<れいわ新選組は、2019年4月に山本太郎参議院議員(当時)が立ち上げ、同年7月の参議院選挙ではALS難病患者の舩後靖彦、重度障がい者の木村英子が当選。2021年10月の衆議院選挙では、山本太郎、たがや亮、大石あきこが当選。2022年4月、山本太郎が参議院選挙に出馬するため衆議院議員を辞職、くしぶち万里が繰り上げ当選。2022年7月の参議院選挙では、山本太郎、天畠大輔、水道橋博士が当選。8人の国会議員が所属する国政政党です。大企業・労働組合、宗教団体などの組織に頼らず、一人ひとりの市民のボランティアと、ご寄附に支えられた、まったく新しい草の根政党です>。
 冒頭の街頭演説には彼の思いがよく表れていますね。れいわはまさに日本の希望だと思います。国会勢力としてはまだ弱小で、新聞各紙が定期的に実施している世論調査でも国民の支持率は高くて2%台という状況ですが、わずか3年で8人の国会議員を擁するようになったのは前進とも言えますね。

B 自分のために行動しているのだという覚悟がいいですね。インドの賢人、ガンジーが言ったとされる言葉に、「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。それをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである」というのがあります。もちろん山本太郎は日本を変えようとしているわけだけれど。 

  私は不安しかないですよ、いま自分、議員を落ちてますよ、党代表では来てますけど、先はわからない。私も生活困窮に足を踏み入れることがあるかもしれない、そのときに真っ先に行政が手を差し伸べてくれるような国であってほしい、だから社会を変えたい、っていうことですよ。自分のために変えたいんですよ。もちろん、みんなのためでもあるけれど。自分勝手でごめんね、だけど自分には自信がない、スーパーマンじゃない。芸能人だったけど、今は芸能人じゃない。芸能界に戻れるなんて思ってない、じゃ、変えるまでやるしかないじゃないか。変えるっていう希望をみなさんが見せてくれる限り、続けるしかないでしょうって。変えたいんだよ、こんな嫌な社会にしたくないんだよって、ことですよ。(2019街頭演説)

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