新サイバー閑話(51)<折々メール閑話>④

女性候補に見るれいわの真面目

B 東西、とーざい。遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ。

A ずいぶん勇ましいけれど、今度は歌舞伎調? それとも講談?

B いやいや、今度の参院選に立候補を予定しているれいわの女性候補がすごいと思ってね、つい、大声をはりあげたくなりました(^o^)。

A たしかに。

B 前回話題にしたインテリジェンスあふれる女性たちが綺羅星のように並んでいます。目立つのは、何といっても、これらの人たちが「いまの政治を変えたい」の一心で立候補を決意していることですね。

 人気を当て込んで担がれたとか、親や夫、あるいは現役議員の地盤、看板を引き継ぐとか、そういう〝不純〟な動機がまるでないのがさわやかさです。だいたい与野党含めて二世、あるいは三世議員(秘書からの昇格も含む)が4割以上とも言われる日本の国会地図は異常です。れいわは間違いなく、この国の淀んだ政治風土を変えてくれるでしょう。

 その主な顔ぶれを紹介しましょう。

 まず大阪選挙区のやはた愛は、先日の衆院選でも立候補、惜しくも落選しましたが、そのときの街頭演説で経済の話になったとき、「株を買うなら私に投資してください。私はこれから伸びますよ~」とさわやかな笑顔で自分を売り込んでいたのが印象的でした。

A おかんぐるみですよね。このおかんにしてこの子ありという感じで、親子の人気上昇が止まらない。親しみやすいキャラですが、闘志あふれるスピーチは大石あき子をしのぐかも。大阪で自公維の指定席をブッ飛ばして、維新キラー2世を誕生させたいですね。

B 高校卒業後から芸能活動を始め、2011年の東日本大震災による福島第一原発事故をきっかけに社会問題に関心をもったそうです。神戸のFM局でラジオDJをするなど関西を拠点にタレント活動をする中で、経済的事情で断念した大学での学び直しを決意、2019年に早稲田大学人間科学部eスクールへ入学した努力家でもありますね。

 先の衆院選で落選した立憲民主党の辻元清美は全国比例区から立候補するようで、大石あき子に続いて大阪からやはた愛、辻元清美という顔ぶれが国会に進出するといいですね。

A 福岡選挙区の奥田ふみよは、山本太郎が直々に一本釣りで口説き落とした方ですね。街宣時の質問が鋭く、すごい熱量を感じたそうです。3人の子育て中という普通の主婦でピアノの先生(武蔵野音大卒)。当初は立候補をためらったそうですが、いったん走り出したら街宣も熱い。博多のお母さんが怒ったら怖い! 子どもたちを幸せにするために立候補したド庶民です。

B 福岡県糸島市在住、やはり3.11を機にした九州電力玄海原発の再稼働に対して声を上げたのが社会活動に取り組んだきっかけだとか。この辺が地に足が着いたというか、普通の主婦が子どもたちの将来を守るために立ち上がったというか、とにかくまっとうな政治活動として大いに好感がもてます。

 埼玉選挙区の西みゆかは慶應義塾大学法学部卒業後に司法試験合格。その後アメリカに留学し、アメリカ合衆国ニューヨーク州弁護士に登録、最高裁判所の司法研修所で刑事弁護の教官もつとめました。

 立候補の理由は「Serve to the Society/社会への貢献」。「Nothing About Us Without Us/私たちのことを私たち抜きで決めないで」(国際連合 障害者権利条約)と「No One Left Behind/誰ひとり取り残されない」(国際連合 SDGs)という理念を信奉しておられるとか。

 しっかりした理念実現のために政界に打って出ようという、ある意味で当たり前のことが、今はたいへん新鮮に思えます。当選したら、それこそすばらしい活動をしてくれるのではないでしょうか。

A この人がれいわに参加してくれたのは大きい。れいわの政策にしっかりした法律論的肉付けをしてくれるでしょう。NY弁護士ですよ、国際弁護士! ツイッターでも自民の改憲案の問題点を分かりやすく解説してくれています。とっても気さくで親孝行な方で、新橋に事務所を開設した時も、自分でホームセンターから買ってきた資材で部屋を改造、飾りつけしてしまう(笑)。母親と愛犬の3〝人〟暮らしです。

 全国比例区から出る長谷川ういこは、太郎さんの正に盟友ですね。これも東日本大震災時に知り合って以来の仲。その結びつきを我々は感謝すべきだと思います。緑の党代表でもあり、れいわの掲げるグリ-ンニューディ-ルの柱ともいえる貴重な存在です。

 僕は今回立候補される前からのツイッターのフォロワーです(笑)。国際舞台も経験しているだけあって、演説もお手のもの、堂々としていて話も上手い。実に頼もしい方です。

B こちらも文句のつけようのないインテリ度と活動歴ですね。上智大学大学院博士前期課程修了。福島原発事故を受け、エネルギー・環境の研究を目的としたNGOを設立。2012年から2019年まで緑の党グリーンズジャパン共同代表。夫と小学校3年生(8歳)と保育園年長(6歳)の子どもの4人暮らし。安冨歩さんとの共著『原発ゼロをあきらめない』(明石書店)などもあるようです。

 4月になって東京選挙区からの擁立が発表された、よだかれん(依田花蓮)って誰かって? 知らざあ言って聞かせやしょう(^o^)、彼女はトランスジェンダーであることを公表しており、国会内の記者会見で「女性や外国人、障害者など行きづらさを抱える人たちの困難を解消したい」と語りました。

 豊橋市出身。ミュージカル俳優や行政書士を経て、2019年に新宿区議に当選、国政を目指す理由については、「自治体のパートナーシップ制度は法的拘束力がない。同性婚が法律で認められるように求めていきたい」と述べています。

A 山本太郎は彼女を擁立した理由を「多彩さの象徴だから」と言っていますね。

B こうして眺めると、「れいわマドンナ」の、他党候補には見られない、品性豊かなまっとうさ、多彩さと多才さが際立ちます。ここには男・山本太郎の政治に賭けたロマンと構想力も感じられる。前回、「最低でも現議席2を含め参院で10議席以上」という皮算用をしたけれど、この夢が実現したとき、日本の政治は大きく変わるだろうと実感できますね。

 問題は参院選での投票率を如何に引き上げられるかです。僕が1988年にパソコン使いこなしガイドブック『ASAHIパソコン』を創刊したときのエピソードを一つ。

 当時のパソコン誌は、一方にホビーマシンとしてのマイコンに対応した若者向け『アスキー』(1977年創刊)があり、他方にビジネスツールとしてのパソコンに対応したガイド誌『日経パソコン』(1983年創刊)がありました。そこへ、「パソコンは誰もが使う文房具になる」という予想のもとにパーソナルユースとしてのガイド誌『ASAHIパソコン』を構想したわけです。

 社内の抵抗のなかで興味深く思ったのは「あなたが言うパーソナルユースのパソコン雑誌は市場のどこにもないではないか。それが需要がない証拠である」というものでした。また既存のパソコン誌の部数から綿密なマーケティング調査をした社内の専門家は『ASAHIパソコン』の部数をせいぜい3万部とはじき出しました。

 その時僕はこう言ったんですね。「『ASAHIパソコン』は従来のようなヘビーユーザーを読者に想定していない。深海の大魚を狙うのではなく、むしろ水面近くに無数にいる小魚のような初心者ユーザーを獲得したい。既存のマーケットのおすそ分けをもらうのではなく、新しい市場を開拓する」のだと。

 創刊号は2刷り、3刷りもあわせて16万3千部を刷り、それでも売り切れる書店が続出しました。言いたいのは、れいわはこれまでの投票人口の外側にいるそれとほぼ同数の有権者を開拓する意気込みでやってほしいということです。

A そう簡単ではないだろうけれど、チャレンジするにたりますね。

B 最後に手前味噌が入ったところで、今回話題にしなかった男性候補者も含めて、有権者の皆さまには、隅から隅までずずずい~っと希い上げ奉りまする~(深々と礼)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です