新サイバー閑話(44)

林さんの「情報法」連載ピリオド 

 本サイバー燈台プロジェクト欄の長期連載、林紘一郎さんの「情報法のリーガル・マインド その日その日」が奇しくもこの6月4日、第64回をもって終了しました。私がウエブをサイバー燈台としてリニューアルしたのと、林さんが『情報法のリーガル・マインド』(勁草書房)を上梓したのが同じころで、その機をとらえて、サイバー燈台に寄稿をお願いしたのがきっかけです。原稿料なし、まったくのボランティアというまことに図々しい申し出を快諾してくれたころを懐かしく思い出します。たしかにお互い、歳をとりました(^o^)。

 タイトルに「情報法のリーガル・マインド その日その日」と付けたのは、新著にまつわるエピソードのようなものを気軽に書いていただければと思ったからですが、「闘魂の人」林さんは過去をのんびり振り返ることを潔しとせず、本では十分書けなかったことを敷衍したり、新たに起こった事態に題材を求めたりと、情報法研究の最先端をさらに究めるべく、毎回、大原稿を書いてくださいました。そういう意味では、まさに「情報法 その日その日」の記録ともなりました。まことにありがたく、厚く感謝しています。

 途中で著書が大川出版賞を受賞したときの挨拶や、「法と経済」などさまざまな学会にパネリストやコメンテーターとして参加した報告、さらには長らく学長を勤められた情報セキュリティ大学院大学の最終講義の様子なども挿入されていますから(後半では私の連載、「インターネット万やっかい」に関しても言及していただきました)、硬軟取り混ぜた内容になっていますが、ここには「情報法の現在」が詰まっていることは、ご愛読いただいた方にはご理解いただけると思います。

 林さんは情報法の今後を若い研究者に託したい意向を末尾に添えられていますが、サイバー燈台主宰者としては、アフターコロナの激動が林さんの知的好奇心をさらに刺激し、折に触れて投稿していただける機会もあるのではないかと、勝手に期待している次第です。

 長い間、精力的にご寄稿いただき、ほんとうにありがとうございました。ときどき打ち合わせと称して横浜北口の中華レストランで食べたランチも懐かしい思い出です。

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