ども。kikです。エマ・ワトソン主演の 『ザ・サークル』 を観てきました。アメリカ本国での興行実績から、あんまり期待せずに観たんですが、なんというか、本国で酷評された理由も含め、サイバーリテラシーを考える上では教科書みたいな作品でした。いろんな意味で。
まあ、(『ザ・サークル』の主人公のように)自分のプライバシーを常時SNSで公開していたら、精神的に追い詰められていくのは当然です。エマ・ワトソン自身、Twitterで2500万人からフォローされているというから、かなり追い詰められているんじゃないでしょうか。この作品で。
さて、最近は「SNS疲れ」という言葉をよく耳にしますが、人間、四六時中テクノロジーに囲まれていたら疲れるに決まってます。…と分かっていても、一度入り込んだら、なかなか抜け出せないのがSNS(情報)社会の怖いところ。
だって、社会全体がその方向に流れちゃってるし。先輩から「友だち申請」来ちゃったし。あの娘の、どーでもいいランチ写真に「いいね!」しておかないと冷たい人と思われそうだし。上司の、会ったこともないクソガキ 子ども写真に「可愛いですね!」とかコメントしておくのも仕事の内だし。フォロワー数が少ないと、友だちいない奴って思われそうだし。
そういう流れに逆らい、あるいは立ち止まって、「自分にとって本当に大切な/必要なモノは何か」なんて考え直すのは、そう簡単なことじゃないですからね。サイバーリテラシーの実践は、案外難しそうです。
ところが。世の中には、そうした「心理的不可能の壁」を、あっさり乗り越える人もいます。本作のチャップリンもその1人。本人はそんなこと自覚していない(という役だ)から、その右往左往はメッチャ笑えますが、同時に、逃げ場のない(と思い込みがちな)社会に、思いがけない視点を与えてくれます。ほんと、「笑い(ユーモア)」 って大事ですよね。
機械化社会に翻弄され、時代に取り残される主人公ですが、実は誰より 「テクノロジー社会の中で、いかに人間性を維持し、いかに幸福を見いだすか」 を考え、テクノロジーに縛られる社会の滑稽さを嗤います。
巨大な歯車に巻き込まれるチャップリン同様、僕らも(好むと好まざると)この情報社会からは逃れられません。だからこそ、それらと上手に向き合い、追い詰められる前に、自分や社会を笑い飛ばす余裕が必要なんです。
…という意見をTwitterに書いて、エマ・ワトソンから「いいね」を貰おうと思います。わははは。
ちなみに。本作のエンディングで、全てを失った主人公が、未来を求め、大切な人と歩き始めます。
流れる曲は、『スマイル』です。
監督 チャーリー・チャップリン
出演 チャールズ・チャップリン ポーレット・ゴダード 他
作曲 チャーリー・チャップリン
最近見た記事で、〇〇疲れ、あと(若者の)〇〇離れは、実は進化なんじゃないか?という話が面白かったですね。
体がそういったものを不要としてきている…というような内容なんですが、なるほどと思いました。
どちらも本人が発しているのではなく、〇〇を強要したい側の言い分であることも興味深いです。
確かに「ワタシ、〇〇疲れなのよね~」とか「僕は〇〇離れですから、〇〇しません」なんて言葉は聞いたことありません。
SNS疲れ(本来は、商品・サービス名ですが)も、SNSをやらせたい側が勝手に言ってるだけで、当人的には単に「飽きた」ってだけなんじゃないかと。
単なる流行り廃りを精神疾患のように表現して、まるでそういったものから離脱することがイレギュラーであるかのように印象操作できるというのは、この言葉考えた人スゲェと思います。
かく言う私も、FBでもう何年も誕生日コメントとかスルーしてしまってるんですが、(コメント付いたのはメールでくるから知ってる)この灰色コンクリートジャングルの人間砂漠に疲れ切ってしまった影響でFB疲れを発症してしまったのです。全ては仕方のないことだったのです。ログインのクッキーが切れて調べるのが面倒なだけではありません。
あと、私の住んでいるところは畑ばっかりですが、これも若者のコンクリートジャングル離れの影響だと思われます。
チャップリンといえば、私が初めて見たのは「独裁者」だったと記憶しています。
英語の授業だったかな、最初はモノクロ映画なんて…と思ってたのに、段々引き込まれていきましたね。
映画関連で「壁を壊す」から連想したのは、最近だと「デッド・プール」ですね。アレは「第四の壁」ですけど。
で、最後の決戦前に「ミュージックスタート」でかかる曲は、ジェット・リーの映画ブラックダイヤモンド(2003)で使用されてるんですよね。どうでもいいですが。
どうでもいいついでで、この映画でアンソニー・アンダーソンがやるネタ、今だったら色んな方面から怒られそうなのばっかりですが、当時映画館で大爆笑してました。どうでもいいですね。
そういや、私が小学生くらいの頃、茶プリンというギャグがありました。
当時、お茶はジジババが飲む渋くて不味い飲み物というイメージだったので、お菓子(今でいうスイーツ)の頂点と言えるプリンに掛け合わせる事で「あり得ない存在」を過去の喜劇王とかけたキャッチ―な表現だったんですけど、今、普通にありますからね…抹茶プリンとか。
恐るべきテクノロジー情報社会!(違うだろ)
『独裁者』を英語の授業で観たんですか。それもすごいですねえ。
『独裁者』は、本作のあとに作られた作品(1940年)ですね。発表当時、(アメリカはまだ第二次大戦に参戦していなかったので)「さすがにヒトラー馬鹿にしすぎだろwww」てな批判があったそうです。映画としての完成度で複数のアカデミー賞にノミネートされましたが、受賞はせず。アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)が「コメディー映画100」に登録したのは2000年になってからでした。
一方、公開当時ドイツと同盟国だった日本では上映されませんでしたが、制作から20年後の1960年に上映されたときは大ヒットしました。