« <57>ネットには人を動かす大きな力がある(05/5/15) | メイン | <59>遠隔操作でハンティングするのをどう考えるか(05/5/29) »

2006年06月04日

<58>食品のたどった「過去」を追跡する「トレーサビリティ」(05/5/22)

 安い牛丼を口にできなくなってだいぶたった。それはアメリカ産の牛肉がBSE(狂牛病)によって日本に輸入できなくなったからだ。BSEが日本でも発生したことは知っているね。それじゃ、なぜ国内の牛肉は大丈夫で、アメリカ産は認められていないのだろか。

 その一つの理由が「トレーサビリティ(traceability)」だ。日本語で「追跡する」という意味。スーパーなどで売られている野菜や肉などの生産者や加工業者、流通業者などをパッケージごとに記録し、だれが、どこで、どのように関わったかを追跡できるようにすることを指す。

 日本では2003三年12月から国内で生まれたすべての牛に対して10ケタの個体識別番号が振られた「耳標」が装着され、その出生から肥育、とさつ(食肉にするための解体処理)までがデータベースに記録されるようになった。翌2004四年12月からは加工、流通そして販売のプロセスでも個体識別番号が記録され、店頭でのパッケージの商品ラベルに表示されるようになった。

 これによって、その牛肉がたどってきた「過去」をインターネットなどで調べることができるようになった。BSE検査によって安全性が認められた牛肉だけが流通し、もしトラブルが発生しても、即座にトラブルの発生元を突き止め、被害が広がることを防ぐことができる。

 これに対してアメリカでは牛肉のトレーサビリティ制度がない。日本政府の食品安全委員会はアメリカ政府と協議の上、検査によって感染を見つけられないので、生後20ヶ月以下の若い牛をBSE検査から除外する、つまり輸入を再開すると認めたが、トレーサビリティのないアメリカで生後20ヶ月以下の牛を特定することは簡単ではない。

 ある大手スーパーでは野菜や果物にトレーサビリティを導入し、商品ラベルに貼り付けられた二次元バーコード(QRコード)から携帯電話で情報を読み取るシステムを作った。今後、トレーサビリティは食品安全のキーワードとなるだろう。(KY)

投稿者 Naoaki Yano : 2006年06月04日 13:18

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.cyber-literacy.com/scripts/mt/mt-tb.cgi/110