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2006年06月04日

<56>オーストラリアで自殺関連サイトを取り締まる法案提出

 オーストラリアでインターネット上の自殺関連サイトを取り締まる法律が提出された。ネット上で自殺をあおったり自殺の方法を公開したりすると管理者が罰せられ、最高で55万豪ドル(約4500万円)の罰金が科せられる。

 実はこの法律がつくられるきっかけは日本と関係がある。日本ではインターネットのホームページで自殺する仲間を募って実行してしまう「ネット心中」が相次いでいる。2月17日にも別々の場所に住む十代から三十代の男女4人がネット上で知り合い、北海道で集団自殺する事件が起きたばかりだ。その少し前の2月5日には神奈川県で男女6人が死亡しており、ここ数年でネット心中は社会問題になっている。

 同じようなことはアメリカでも起きており、オーストラリア政府は、日本やアメリカの例をあげて集団自殺を予防するためにサイトの規制をすることを決めた。

 誰にもつらいことはある。身近に相談する人がいないときに、インターネットで自分を理解してくれる人とつながり、前向きに生きる勇気を得た人もたくさんいる。3月13日号で紹介したように、悩みをメールで支援する活動も数多く行われている。

 顔も名前も隠したまま単刀直入に深いテーマを書き込めるのはインターネットの特徴だが、ネット心中はそれが裏目に出た使われ方だろう。

 死にたいほどつらい思いをしている人はどこかで救いを求めている。現実の生活のなかで誰かがそのSOSを知ることができれば、違う立場や考え方で励ましたり、慰めたり、声をかけたりして自殺を止めてくれるだろう。ところがネット上で「死にたい」という目的だけで知り合えば、みんなが同じ考えのまま行動に突き進んでしまう。

 日本ではまだ自殺関連サイトの規制はないが、禁止するだけで問題が解決するかは議論しなければならないだろう。自ら命を絶つという悲しい選択をなくすためには、安心して率直に語れると同時にいろいろな考え方の人たちが出会う場が大事になるからだ。(MH)

投稿者 Naoaki Yano : 2006年06月04日 13:12

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