<35>便利なGPSケータイも防犯に万能ではない(04/12/5)
奈良市の小学1年生が誘拐殺害された事件には心が痛む。被害者の女の子は登校・下校時はいつもGPS機能つきのケータイを首にぶら下げていたという。GPSケータイには持ち主の位置を教えてくれるサービスがあり、ご両親もきっと子供の安全を願って持たせていたのだろう。
GPSというのは、Global Positioning Systemの略で「全地球測位システム」と訳されている。もともとアメリカが軍事目的で開発したものだ。地球上空に打ち上げられた24個の衛星が発信する電波によって場所を特定する。自動車のカーナビゲーション・システムでも使われている。
普通の携帯電話もスイッチが入っている間は、通話をしていなくても絶えず基地局に向かって電波を出しているので、持ち主のだいたいの場所は分かる。携帯電話で約300メートル、PHSで約100メートルの範囲内で特定できるといわれている。
ところがGPSは、少なくとも4つの衛星が見通せる場所であれば、なんと誤差5メートル~10メートルで測定できるから、その正確さは基地局を使った測定とは比べものにならない。実は、アメリカ軍は数センチの精度でGPSを使っているが、一般の人向けにわざと誤差を生じるようにしている。
衛星からの電波を使うために、GPSは山の中でも砂漠でも自分のいる位置が分かる。その代わり、空が見えない地下やまわりに高い建物があると測定不能、あるいは不正確になる。
こうしたGPSケータイの機能を利用して、持ち主の居場所をすぐにケータイやパソコンで確認できるサービスや、緊急のときにGPSケータイからワンプッシュで、タクシーを呼んだり警備会社を呼ぶサービスもある。また、海・山でトラブルが起きたときの緊急通報、地図を表示して目的地まで案内してくれサービスなどもある。
とても便利なGPSケータイだが、悪質な犯罪に対しては万能ではない。危険に巻き込まれそうになったとき助けを求めるのに役立つ場合もあるが、安全を機械やサービスに任せることはできないということを今回の事件は教えてくれた。(KY)
投稿者 Naoaki Yano : 2005年12月14日 12:24